朝鮮で新型の「聴く絵本」が人気/スマホアプリと連動
2024年08月16日 07:44 共和国子どもたちの知能を楽しく育む
朝鮮の教育図書出版社の児童知能教育図書研究所が新たに開発した知能教育用の音声図書が保護者たちから注目を集めている。この音声図書は、絵本とスマートフォンが連動した新しいタイプの「聴く絵本」だ。
感覚を刺激する知育
朝鮮でも学齢前の子どもたちの幼児教育における代表的なものの一つは絵本の読み聞かせで、幼稚園だけでなく家庭でも手軽に取り入れられている。
国内の子どもや保護者たちの間では、数年前から、電子ペンを使った「音の出る絵本」や、絵が立体的に飛び出す絵本が人気を博していた。
月刊『錦繍江山』6月号によると、児童知能教育図書研究所では、絵本とスマートフォンアプリを連動させた新型の「聴く絵本」を開発した。
絵本と連動するのは、児童知能図書アプリ「親しい友達1.0」。使い方はシンプルで、スマートフォンでアプリを起動し、「音声図書」のカテゴリから、好きな絵本作品を選択したらスマートフォンを専用台に置き、その下に絵本を開く。そして、アプリ内でカメラを起動し、絵本のページをカメラにかざしながら、ページの中の絵や本文に指で触れると、スマートフォンから本文の音声や効果音が流れる。カメラが絵本と指の動作を認識する仕組みになっている。
手で触って、耳で聴いて、目で見て、声で遊べる絵本は、託児所や幼稚園の保護者の中で大好評だ。平壌市中区域在住のチェ・ジョンシムさんは、2歳の娘がこの絵本で遊ぶのに夢中だと話す。
チェさんが絵本を購入した当初、夫は「しゃべり始めたばかりの子どもにはまだ早いんじゃないか」と話したという。しかし、絵本を開いて一緒に使ってみると、次の日からは自分で本を開いてスマートフォンから流れる音声に合わせてセリフを口ずさんでいたという。チェさんは「子どもがセリフに合わせてしゃべる姿を見て、夫もこの絵本の効果を感じていた。これで遊んでいるときは、子どもから目を離しても子どもの声が聞こえるので安心だ」と笑みを浮かべた。
プロのナレーターによる読みきかせが朝鮮語教育に役立つほか、セリフだけでなく効果音まで音声で流れるため、絵本の内容がリアルに伝わってくるのも特徴だ。
また、年齢に即して異なる速度とレベルの音声データが搭載されている。音声データは81巻分揃っていて、物事に飽きやすい子どもでも楽しく学び続けることができる。
所長のチャン・デギルさんは国内で有名な絵本作家で、2000年代から数多くの絵本を制作し、近年は、科学技術の発展や教育水準の向上などの時代のニーズに合わせて多くの知能啓発図書を制作してきた。絵本をつくるうえで、各地の幼稚園を訪ねて、現場の意見を聞き、制作の参考にしたという。
チャンさんは「世界的な教育発展の動向や教育学的に求められるニーズに合わせて、子どもたちの世界観の形成、道徳の学習、知能啓発、朝鮮語教育に役立つ知能教育本をもっと生み出していきたい」と語った。
(朝鮮新報)