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各地から1千人、大盛況/岡山初中チャリティーコンサート「キルチャビ」4

2024年07月13日 10:00 文化

「舞LOVEウリ学校チャリティー芸術公演『キルチャビ』4」が開催された

「舞LOVEウリ学校チャリティー芸術公演『キルチャビ』4」が7日、岡山県にある倉敷市芸文館で開催された。公演には、総聯岡山県本部の呉信浩委員長、女性同盟中央の李恵順宣伝文化部長をはじめ県内や各地の同胞、日本市民たちが来場し、出演者などの関係者を含む約1千人が参加した。

収益で学校支援

公演では14の演目が披露された(写真は親子が共演した群舞「サラン」)

岡山初中チャリティーコンサートである「キルチャビ」公演は、2013年に初めて開催された。「キルチャビ(길잡이)」は日本語で「道しるべ」を意味し、公演を通じて岡山同胞社会の歴史を振り返ると共に、これからの同胞社会が歩むべき道のりを次世代に示す決意を披露してきた。

公演を企画したのは、「キルチャビ」実行委員会。実行委の4人のメンバーは初回公演から実行委の役割を担ってきた。「キルチャビ」は、子どもたちに、安全で、より良い教育環境を提供することを目的に、公演の収益金や、集まった賛助金を学校に寄付してきた。

初回公演の収益で老朽化した学校講堂を補修修理し、第2回公演を行った15年には通学バスを、第3回公演を催した17年には講堂に移動式舞台を寄贈した。

4回目となる今回の公演で集まった収益は、学校の廊下や階段、裏門の補修修理に充てられる。

7年ぶりの開催

来場者は、久しぶりの「キルチャビ」公演を思う存分楽しんだ

7年ぶりに開催された「キルチャビ」公演。今回の公演には、1、2世の同胞たちが築き守りぬいてきた同胞社会や朝鮮学校を今後も守り続けるために、先代の想いと実績を3、4世が受け継ぎ、次世代へと繋いでいく決意が込められた。

公演には、女性同盟朝鮮舞踊サークル「ヒャン」のメンバーに加え、セセデ舞踊部(以下、朝青舞踊部)をはじめとした朝青員と留学同盟員たち、岡山初中の舞踊部や民族管弦楽部が出演。また、岡山同胞社会で名の知れた2世同胞たちを中心に構成される「イオ(이어)」(朝鮮語でつなぐの意)が初めて舞台に立ち、総勢83人が華々しい舞台を創り上げた。

開演1カ月前にはチケットが完売し、当日は久しぶりの「キルチャビ」公演を観るために、各地から同胞が集まった。開場時間になると受付は家族連れの同胞などで溢れかえり、同胞たちは旧友や恩師との再会を喜んだ。

会場のホールでは、岡山初中で書芸講師を務めて14年目となる韓静資さん(77)の書芸展「喜寿記念 韓静資書芸展~書芸講師30年の道しるべ~」が開かれ、「キルチャビ」公演に際して作られた新しい作品も展示された。

公演は第1部「舞」と第2部「輝」で構成され、計14の演目が披露された。

第1部の序幕では、「ヒャン」が登場し「三太鼓の舞」を披露。剛と柔を兼ね備えた圧巻のパフォーマンスに続き、独舞「双扇の舞」(ヒャン)、岡山初中舞踊部による群舞「水瓶の舞」、朝青舞踊部による「太鼓の舞」など朝鮮の情緒溢れる舞踊作品が披露された。第1部のトリを飾ったのは朝青と留学同の若者たち。「キルチャビアリラン」と題した舞台でバンドによる生演奏を披露し、朝青舞踊部が踊りで舞台を彩った。先代同胞たちの意思を受け継ぐ決意を見せた新世代の同胞たちに盛大な拍手が送られた。

新世代同胞たちによる「キルチャビアリラン」の一幕

第2部は、「ヒャン」による群舞「星に願いを込めて」で幕を開けると、岡山初中の舞踊部や民族管弦楽部、朝青舞踊部がそれぞれ舞台に立った。「ヒャン」のオモニたちと息子が共に舞台に立つ「サラン」ではキムチ作りをテーマにした踊りがパフォーマンスされると、「イオ」が「つなぐ」と題し合唱を披露。会場は、岡山同胞社会を支えてきたレジェンドたちの力強い歌声に包まれた。その後、群舞・合唱「丹心」と終幕「道しるべ」では、各グループが共に踊りや歌を披露した。7年ぶりの「キルチャビ」公演は同胞たちの涙と感動、笑顔で溢れ、大成功に終わった。

フィナーレを終えると、出演者たちには花束が贈呈された。舞台の幕が降りるまで割れんばかりの声援と拍手が送られた。終演後、出演者たちと観覧者たちは会場ロビーで記念撮影などを行った。

出演者である友人の誘いを受け、自身の妻と来場した山本さん(71)は、公演の開催にあたってお金を寄付したという。公演後、山本さんは満面の笑みで「7年前も見させてもらった。今日はどの演目も印象に残って、良かったの一言に尽きるね」と満足気に語った。

大阪から来場した禹美陽さん(64)は、「『ヒャン』のオモニたちの中には、若い頃から知っている人もいるけれど、年齢を重ねた一方で、顔は若いときのまま生き生きとしていた」と驚きを隠さない。これまで自身の子どもを朝鮮学校に送ってきた禹さんは、「子どもをウリハッキョに送って良かったと思わせてくれる公演だった。学校をはじめ1世同胞たちが守ってきたものを、難題を抱えながらも地域の力で守り続けようとする岡山同胞たちの姿を見て、ウリハッキョの素晴らしさを改めて感じた」と話した。

    (朴忠信)

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