〈本の紹介〉14歳からの非戦入門/伊勢崎賢治著
2024年06月22日 06:00 文化・歴史緩衝国家・日本が抱えるゾンビ
新冷戦の下、世界各地で先鋭化する危機。本書は、「安全保障化」と「緩衝国家」という二つの概念を軸に、危機に対する視点とそれを克服する糸口を提示する。
「安全保障化」とは、権力者などの安全保障を訴える人たちによって国家の安全を脅かす敵(脅威)の存在、それへの対処を急ぐ必要性が訴えられ、それが社会的に共有されていく事象を指す。日本に当てはめると、中国、朝鮮の「脅威」に備えて防衛費を2倍に増額し、日米同盟を「かつてないレベルに」(岸田首相)ということになる。