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ウリハッキョは今~道内唯一の拠点・北海道初中高~(上)セセデ協議会

2024年06月19日 07:43 民族教育

現実見極め、未来描く

5月20日に行われた「セセデ民族教育協議会」会議

北海道初中高で、24年度から新たな取り組みが始動した。

同校高級部の生徒たちが、茨城初中高の同級生たちと共に合同で学校生活を送る。これにより北海道を拠点とする民族教育は、当面、初中級部生を対象に営まれることとなった。

2011年の学校創立50周年以降、北海道民族教育の発展的な在り方とは何かを問うてきた学校関係者たちは、これまで多くの討議を重ねてきた。

在日朝鮮人4世、5世として生まれたわが子がルーツを大事にし、堂々と生きていってほしい―。児童・生徒数の減少が待ったなしの状況でも、関係者たちは今回の変化を肯定的に、大事な機会と捉えている。とりわけ、この取り組みを牽引する「セセデ民族教育協議会」(以下、「セセデ協議会」)をはじめ、未来の保護者世代となる朝青そして児童・生徒たちに日々向き合う教員たち…。変わりゆくものと守るべきもののはざまで悩み葛藤しながらも、大事なものを守り輝かせていこうと奮闘する現場を訪ねた。全3回。

抜本的改革と運動大衆化を促進

今から3年前の2021年、北海道初中高は学校創立60周年を迎えた。朝鮮人としてのルーツや誇りを大事にしたいと、民族教育を求めて同校へ通った児童・生徒たちの数は、昨年3月時点で約1,700人。道内に唯一あるウリハッキョがいま、転機を迎えている。

訴えを基盤に

北海道では、総聯本部が主管する民族教育対策委員会が2018年12月に発足されて以降、同対策委を中心に、北海道初中高を取り巻く諸般の協議が行われてきた。当時、専従活動家として会議の場に参加していた朴鳳哲さん(46、教育会理事兼アボジ会会長)はいう。

北海道初中高の教員らを交えた会議の場

「専従・非専従を問わず、これまで北海道同胞社会を支えてきた道内の錚々たるメンバーで構成されていて、すごく雰囲気がよかった」。しかし、その約1年後に始まったコロナ禍の中で、定期的に開催されていた協議は中断し「下火になってしまった」。ここまでが、約2年前、2022年時点の話だ。

一方で、そうした状況に関わらず、待ったなしの課題があった。

「昨年度、中3の息子のクラスは3人で、1つ上の学年がゼロ、高2が6人いた。高2の子たちが高級部を卒業したら、高3がいない中で、高2が3人。当時、その1つ下も2人のクラスで、このままいけば、北海道の朝高生は、自分の子どもの年代の3人だけになるかもしれない、ずっと拭えない大きな不安だった」。

語り手は、同校のオモニ会会長を務める李慧娘さん(46)だ。

学校創立50周年以降、高級部のより良い運営方法が課題であった同校では、

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