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〈幼保無償化〉現実と乖離した「救済案」再検討を

2024年06月10日 12:00 権利 社会

参院内閣委員会で石垣のり子議員が質疑

幼保無償化制度から除外された朝鮮幼稚園の保護者たちには、21年度から始まった対象外施設向けの代替措置「多様な集団活動事業の利用支援」事業によって月2万円を上限とした補助金が給付されている。しかし、この施策は各自治体の裁量によって実施の是非が決まることから、居住地域によって支援を受けられない家庭も存在する。また補助金は、幼保無償化の対象施設(幼稚園:2万5700円、認可外保育施設:3万7千円)に給付される上限額より下回っており、対象外施設に対する十分な「救済案」とは呼べないのが現状だ。

4日の参議院内閣委員会では、この問題と関連し、石垣のり子議員(立憲)が質疑を行った。石垣議員が無償化施設とその対象外施設へそれぞれ支給される補助金額の上限の根拠を問うと、文科省の担当者は「(対象外施設の上限は)地方自治体が行う利用者支援の実態を参考に認可施設とのバランスを考慮した」「過去3年間の平均月額利用料を算定対象にした」と答弁した。

また石垣議員は昨今の物価高や賃上げの状況も鑑みて増額を検討すべきではと質問。文科省の阿部俊子副大臣は既出の答弁を繰り返し、明確にアンバランスな上限格差を黙認した。

これに対し石垣議員は「結局は各自治体に委ねられている」と批判しながら「すべての子どもの育ちを応援するという点で不公平な状態が生じている」と、制度の基本理念から乖離した実施状況を指摘。「今の方法ではなく、少なくとも物価高や賃金上昇分を反映できるような利用支援の在り方というのを検討していただきたい」と述べた。

(晟)

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