関東大震災時朝鮮人虐殺に関する講演会
2024年06月06日 09:00 歴史前史としての日本軍間島虐殺
関東大震災時朝鮮人虐殺の事実を知り追悼する神奈川実行委員会が5月25日、神奈川県横浜市内の施設で講演会を開催した。ここに同会メンバーと市民ら45人が参加した。
関東大震災から90年を迎える2013年1月、「関東大震災時朝鮮人虐殺90年神奈川実行委員会」の名ではじまった同会は、結成時から朝鮮人虐殺の事実を究明し、伝え、犠牲者らを追悼する取り組みを一貫して行ってきた。そして昨年、虐殺100年を迎え、当時、県内で起きた朝鮮人殺傷事件の日時や場所、被害者149人(うち殺人による犠牲者145人)の情報などが記された神奈川県作成の文書とみられる資料を公開した。
講演会では、まず同会の宮田仁共同代表のあいさつをした。
宮田共同代表は、日本の植民地主義を隠ぺいする流れに対抗し「植民地戦争」(甲午農民戦争(1894-95年)からはじまり、日露戦争と義兵戦争(1904-15年)、3・1独立運動(1919年)、間島虐殺(1920年)などの朝鮮植民地戦争から関東大震災(1923年)への展開まで、植民地での軍事的暴力と現地の人びとの抵抗を意味。)という視座から当時の歴史を把握しようとする今回の講師・愼蒼宇さん(法政大学教授)の試みに言及。今回の講演会は「『植民地戦争』の中でも、間島虐殺に焦点をあてて話を聞く」として、関東大震災時の虐殺につながる歴史的背景を学び、行動していくために企画されたと説明した。
講演会では、愼蒼宇さんが「日本軍の間島虐殺経験-関東大震災朝鮮人虐殺前史」と題し講演を行った後、質疑応答が行われ、山本すみ子共同代表の閉会の辞で幕を閉じた。
(李紗蘭)