〈2024年度朝大入学式〉同胞社会担う一員に、学ぶ決意新たに
2024年04月17日 09:37 民族教育10日、2024年度朝鮮大学校入学式が同校講堂で行われた。総聯中央の朴久好第1副議長兼組織局長、宋根学副議長兼教育局長、姜秋蓮副議長兼女性同盟中央委員長、中央団体・事業体の代表、韓東成学長をはじめとする同校教職員と新入生、在校生たちが参加した。また、新入生の晴れ姿を見に、各地から保護者や親族が集った。
式では、朝鮮教育省から送られてきた祝電の紹介に続き、朴久好第1副議長が祝辞を述べた。
第1副議長は、民族教育の最高殿堂であり、朝鮮唯一の海外僑胞大学としての朝大の存在意義について強調。時代の先駆けとなる人材になるためには、確固たる信念と豊富な知識、高い能力を持つことが大事だとし、新入生たちに向けて、在学期間1分1秒を惜しんで勉強に励むよう呼びかけた。
続いて、韓東成学長が報告を行った。
学長は、入学生と保護者たちに歓迎と祝福のあいさつを送った上で、大学が育成しようとする人材像(創造型、実践型の人材)、ここ数年改革を進める教育内容について説明。2年後の大学創立70周年を機に、より良い教育カリキュラム・環境を整えることで、在日朝鮮人運動の百年大計を担保する大学、同胞たちが我が子を安心して任せられる大学の実現へ飛躍することを誓った。
文学歴史学部の孫悠真さん(神戸朝高卒)が、新入生代表として決意表明をした。
孫さんは、在日朝鮮人運動の未来を担う一員として、懸命に学び、愛国愛族のバトンをつないでいくための実力と実践力を兼ね備えることで、同胞たちの期待に応えたいと力強く述べた。
入学式後、講堂前で学部別に記念撮影が行われた。久しぶりに朝大を訪れた同大卒の保護者も多く、かつての学び舎を懐かしそうに眺める人々の姿も。また、保護者同士で再会を喜ぶ一幕も見られた。
昼食では同校の食堂でクッパやキムチが用意され、参加者たちは食卓を囲み親子の時間を楽しんだ。
我が子へエール送る
高悠梨さんは、九州朝高を経て、母の呉栄美さん(48)と同じ教育学部・保育科に入学した。入学を決意した娘が、自分と同じ道に進むことを嬉しく思う反面、ウリハッキョの生徒数減少の流れに、「娘の卒業後を考えると不安もあった」。それでも「本人の強い意志と希望を尊重したいと思う」と呉さん。また父の高成均さん(49)は「在学中に学友たちと切磋琢磨し保育士資格取得を目標に勉学に励んでほしい」とエールを送った。
金洸台さんも大阪朝高を卒業後、父の金民一さん(55)と同じ経営学部に入学した。民一さんは、「息子は朝高3年時に朝高委員会委員長の重役を任され、その役割を全うする過程で同胞社会の大切さに気づいたようだ」として、その後朝大進学を決断した洸台さんの成長について語った。そのうえで「4年間を通して、よき友に巡り会ってほしい。それから、存分に学び在日朝鮮人として生きていく術を磨き蓄えてほしい」と息子の背中を押した。
横浜初級、神奈川中高を卒業し、文学歴史学部の語文学科に進学した尹貞雅さんの父・尹溢成さん(48、師範教育学部3年制師範科卒)は、30年振りに朝大を訪れた。「変わっていないね」と朗らかに笑う溢成さん。20年振りに朝大を訪れた叔母の尹景美さん(41)も頷きつつ、「(入学式で)教育内容の違いは印象的だった」と話した。また溢成さんは「自分は通った。いろんな人と出会って、広い視野を持つようになってくれたら」と語った。
朴正植さん(84)は、自身をはじめ、息子、孫の三代で朝大政治経済学部に入学したことを誇らしく語った。朴さんは、「東京朝高の仮校舎から移転し、立派な設備を調えた大学で学んだ日々がよみがえる。何年たっても色褪せない喜びの瞬間を、孫の入学式で再び味わえたことが夢のようだ」と満面の笑みをうかべた。
東京朝高を経て、政治経済学部に入学した金知優さんの父、金一守さん(55)は経営学部の卒業生だ。自身の人生において一番色濃い期間は、間違いなく朝大で学んだ4年間だと話す金一守さん。「朝大の一番の魅力は集団生活にあると思う。私が経験したように、娘もいろんな人、多種多様な価値観と触れ合いながら、自身の人生を送ってほしい」と述べた。
体育学部に入学した趙洗里さん(神戸朝高卒)の母・森脇千絵さん(39)は、「経営学部に長男も通っているのでそんなに心配はないです。成長して帰ってきてほしい」と大学生活をスタートする娘にエールを送った。
朝高3年次には女子バレー部で主将を務めながら、部員たちと共に汗を流す洗里さんをサポートしてきた千絵さんは「(娘は)私よりもしっかりしている子、大学でもう4年バレーボールができるので目一杯楽しんでもらいたい」と話す。
父親の趙慶済さん(53、政治経済学部卒)は、娘への思いを問われ「あんま言うことないねんけどな」と照れ笑いしながらも、自身も通った朝鮮大学校で「勉強もそうだが、集団生活など大学4年間を通じて、生きる力をつけてほしい」と語った。
(取材班)