〈トンポの暮らしを支える/こちら同胞法律・生活センターです!45〉職場で起きがちな法律問題
2024年04月16日 08:50 寄稿多くの人にとって、職場は一日のうち大半の時間を過ごす場所です。しかし、職場では、賃金未払い、長時間労働、不当解雇、ハラスメントなど、日々、様々な問題が起きています。今回は、職場で起きがちな代表的な法律問題について、その対処法や対策をご紹介します。
Q 頻繁に夜遅くまで残業をさせられていますが、残業代がちゃんと支払われているのか疑問です。自分で計算をしてみたいのですが、計算方法がわかりませんし、そもそも自分の総残業時間がわかりません。どうしたらいいでしょうか。
A 日本の労働法上、法定労働時間は、1日8時間、週40時間で、これを超える労働は時間外労働です。時間外労働については、使用者に割増賃金の支払いが義務付けられています。
割増の基礎となる賃金を基礎賃金といいます。基礎賃金には、基本給の他、労働の対価として支給される諸手当(役職手当など)も含まれますが、労働者の個々の事情に応じて支払われる通勤手当や住居手当などは労働の対価ではないので除外されます。基礎賃金を基に賃金単価を計算し、それに所定の割増率をかけたものが1時間分の残業代ということになります。賃金単価とは1時間当たりの賃金をいい、時給制であれば時給、月給制であれば、月給をひと月平均所定労働時間で割った金額が単価となります。つまり、月給制の方の場合であれば、基礎賃金÷(年間総労働時間数÷12カ月)が賃金単価となりますので、賃金単価×割増率(1.25%~1.5%)×残業時間数で残業代の計算が可能です。