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北九州市、朝鮮学校への補助金大幅削減

2024年04月11日 12:11 民族教育

民族教育の歩み踏まえ、検討を

3月9に行われた街宣活動には約30人の日本市民や同胞たちが集まった(写真はすべて花井美仁さん提供)

3月25日、北九州市議会(福岡県)で、学校法人福岡朝鮮学園に対する補助金額を前年度から約40%削減する今年度予算案が可決された。

北九州市では「私立外国人学校教育の復興及び国際交流の推進等を図る」との名目で、福岡朝鮮学園に対し、北九州市立外国人学校補助金を交付してきた。

しかし今年2月20日、武内和久市長が北九州市議会本会議に提出した2024年度一般会計予算案には、同学園への補助金額285万円(23年度予算)から全体の38.5%にあたる110万円を削減する案が含まれており、市側はその理由を、「(285万円という補助額が)ほかの政令市の補助金平均額より上回っているため、適正額として40%の削減とした」と説明。当事者である学園には、市議会開会の1週間前に突如、通知が届いたのみで、事前協議はなかった。

朝鮮学校を支える会・北九州、朝鮮学園、九州初中高、同校オモニ会は連名で3月15日、「福岡朝鮮学園補助金の削減に対して市長・教育長との面談を求める要望書」を市長宛に提出。市議会での削減案可決後も、双方の話し合いの場を求めるなど、真摯な対応を示すよう市側に促している。

参加者は思いおもいのプラカードを掲げ、通行人にアピールした

北九州市の対応を受けて、日本市民や在日同胞らはこの間、JR小倉駅前で補助金削減に反対する街宣活動を行った。発起人である花井美仁さん(31、福岡市在住)は、「4割削減という数字の大きさに衝撃を受け、何とかしなくては」という危機感から声を上げた。また北九州市の山口慧子さん(32)ら有志らは「福岡朝鮮学園への補助金削減の撤回を求める」オンライン署名運動を提起。1週間という短期間で集まった5,269筆の署名は請願書と共に3月12日、市議会に提出された。

九州初中高の趙星来校長は、「これまで学園側と市の関係は悪くなく、意思の疎通も図れていた」としながら、「要望書でのべたように話し合いの場を設けたい。また朝鮮学校がなぜ存在するのか、歴史、民族教育の歩みを知ってもらうためにも実際に学校を訪れていただきたい」と強調。国庫支援のある他の私立学校らと、あらゆる教育補助の対象外とされている朝鮮学校とを同様に扱い、削減対象としたことへの市民らの批判が続く中、今後も北九州市に対し、対話を主とした働きかけを続けていく意向を示した。

(康哲誠)

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