〈人・サラム・HUMAN〉西東京第2初中教員/白承淑さん(47)
2024年04月10日 09:30 民族教育“ウリマルの尊さ伝えたい”
2023年度「ウリマル(朝鮮語)をよく学び、よく使う2重模範学校」の称号を得た西東京第2初中で、朝鮮語教育を牽引する「国語指導委員会」の責任者を務める。広島初中高、神奈川中高を経て7年前に同校へ赴任。20年近く教員生活を送るベテラン先生だ。
昨年1月、日本各地の朝鮮学校教員が集う教育研究集会では、白さんの論文をはじめ、同校の朝鮮語教育・教養に関する論文が、優秀論文として多数評価された。
「幼少期、青年期を過ごした広島では1世の祖父母と共に暮らした。被爆者だった2人は、自身らが受けた民族的差別について、晩年まで語り部として、育ちゆく次世代たちに伝えていた」。
白さんの祖母は生前、「被爆後、病院で治療を受けたくても、日本語をうまく話せずひどく虐められた」という。
自身の祖父母が差別を受けながらも守り抜いた朝鮮のことば。白さんは、そんな先代たちの思いを「継ぎ守り抜く使命が、自分にはある」と強調する。
「ウリマルを使うことで、児童・生徒たちに、自身がチョソンサラム(朝鮮人)だと認識する瞬間を増やしてあげたい。そして同胞たちにも、ウリマルを使うことが、どれほど尊いことなのかを伝えたい」。
白さんは、「いまでは格好良いウリマルを使いたいと、ウリマルを楽しむ」児童・生徒たちのために、今日も教壇に立っている。
(賢)