2回目のハンセン病企画展/高麗博物館
2024年03月06日 13:35 歴史差別の歴史から社会を問う
東京・新宿区内の高麗博物館で、企画展「ハンセン病と朝鮮人-壁を越えて」が開催されている。
法律「癩予防二関スル件」(らい予防法、1907年)の制定以降、日本政府は民族浄化思想のもと、らい病改めハンセン病患者・回復者に対する強制隔離政策を推進した。当時、ハンセン病患者の中には朝鮮人も存在した。約90年間続いた政府のあやまった政策は、病気に対する差別や偏見を根強いものにし、現在も当事者やその家族に影響を及ぼしている。
2020年、同博物館は企画展「ハンセン病と朝鮮人―差別を生き抜いて」を開催。「ハンセン病」「朝鮮人」を理由に何重もの差別を受けながらも、人権回復のために闘い続けた在日朝鮮人たちの存在から、現代社会における排他主義、歴史修正の風潮に警鐘を鳴らした。
ハンセン病を主題とした2回目の企画展となった今回の展示会場には、「ハンセン病療養所の中の朝鮮人」「植民地朝鮮のハンセン病」などをテーマにした解説パネルや書籍、絵画、在日朝鮮人写真家の趙根在さんが各地の療養所で撮影した写真などが展示された。
展示の開催期間は、1月10日~6月30日。期間中には、講演会などのトークイベントが行われるなど、ハンセン病への差別偏見に抗った人々の人生に焦点を当て、現代の日本社会の在り方について問う。
(朴忠信)