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【投稿】冬の忘れられない思い出/坂本麻子

2024年03月07日 15:53 スポーツ 寄稿

「同胞タルリギフェスティバル」が2月11日に開催された。(写真はすべて実行委員会提供)

今年も「同胞タルリギフェスティバル」が冬晴れの2月11日に東京朝鮮中高級学校のグラウンドにて行われました。

初級部2年の次男はこの日をずっと心待ちにしていました。というのも昨年、当時中級部2年の兄、そして幼稚園児のいとこを誘って参加したからです。

参加者はゼッケンを胸と背中の2カ所に留めるのですが、集合場所のテニスコートへ行くと、初参加でドキドキしていた息子のところへ朝鮮大学校のお兄さん・お姉さんたちが駆け寄って来てくれて、緊張を溶きほぐすかのように笑顔で話しかけながらゼッケンを留めてくれました。

ロードレースに参加する児童たちは、沢山のお手伝いに来てくれた朝大生が、スタートするまで付き添ってくれたので、私たち保護者は子どもを安心して任せ、応援することができました。

この時に初めて朝鮮大学校の学生と触れ合ったのですが、みんな明るく元気で、子どもにとても優しく、(きっと良い大学に違いない)と好印象を受けたことを覚えています。そして次男が大好きないとこを誘った目的である「走り方教室」にも参加しました。

速く走れるようになりたいと願う息子たちは、どんなに厳しい指導なのだろうと真剣な面持ちだったのも束の間、鬼ごっこなど遊びを取り入れた、走ることの楽しさを前面に押し出したものだったので、最後まで笑い声の絶えない時間を過ごしていました。

教室の最後には力試しの80メートル走が行われ、なんと甥っ子が未就学児の部で金メダルをもらいました。

回想が長くなりましたが、こんなにも楽しい思い出を作ったものですから、次男は1カ月前から「楽しみだ」と口にするほど待ちわびていたのです。

そんな次男は今年もロードレースに参加しました。昨年は手が届かなかったメダルですが、今年はついに銅メダルを手に入れることができました。そして同じく長男も、今年は銅メダルを手に入れることができました。

この2つのメダルで(今年もタルリギフェスティバルに参加できて本当に 良かった)と思っていたのですが、実はもう1つもらうことができました。それも参加しようとは微塵も思っていなかった私が、次男と「ペアラン」に参加し、死に物狂いで走って勝ち取った銅メダルです。

何十年ぶりかに手にしたメダルは、私にとってかけがえのない宝物になりました。病気になり運動を控えていた体の筋力と体力低下に嘆きつつも、次男と一緒に走る喜びを味わえました。

走ることが好きでも機会がなかった方々にこそ、この「同胞タルリギフェスティバル」に参加して欲しいと思うのです。

今回、参加者側からだけでなく、事務局メンバーとしてお手伝いさせていただいたことで主催者側からもその素晴らしさを垣間見ることができたからこそ、より強く願わずにはいられません。

当日を迎えるまでに何度も綿密な打合せを行い、より円滑に行うために安全面に配慮した人員配置や備品の準備、タイムスケジュールの確認…。また表彰式が始まるギリギリまで子どもたちに喜んでもらいたいとメダルを可愛く飾り、行事中は参加者の名前を漏らすことなく放送しようと走り回ったり。そこに係わるたくさんの方々の熱い思いを知ることができました。

さらに今年も元気で子ども好きな優しい朝大生が、たくさんお手伝いに来てくれました。

次男は今年もお兄さんたちに甘えて膝に座って遊んでもらっていました。もちろん嫌な顔一つせず、子どもたちが飽きないよう相手をしてくれていました。

私は朝大生=朝鮮大学校のイメージが、昨年よりさらに良いものになりましたし、息子はまた来年の「同胞タルリギフェスティバル」を楽しみにするでしょう。

行事は、「同胞」と謳っていても、日本の方たちにも広く参加を呼びかけていると聞きました。現に昨年、私の弟が甥っ子を連れて初めて東京朝鮮中高級学校に遊びに来ました。「みんな温かく優しくて本当に楽しいイベントだった」と絶賛していました。

来年の第8回目は今年度を超える参加人数を期待しています。そのために私には何ができるだろうかと考えています。

また参加者を一番に考えた主催者が開催する、走ることの楽しさを教えてくれる、この素晴らしい「同胞タルリギフェスティバル」を、まずはウリハッキョの子どもたちに浸透させるべきだと思っています。そして、こんなにも楽しかったと話す子どもたちの話を聞いたアッパ・オンマたちに、興味をもってもらえたら、いま以上に盛り上がることは間違いありません。

まずはその一歩として、次男が通う東京第2初級のオンマたちに話すことから始めようと思います。

役員の皆さま、本当にお疲れ様でした。冬の忘れられない最高な思い出をもらえたことに、心から感謝しています。

(東京都江東区在住)

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