〈時事エッセー・沈黙の声 45〉在日2世の金聖雄監督「アリランラプソディ」/浅野健一
2024年03月25日 08:29 寄稿非戦・差別反対を訴えるハルモニたち
東京・田端にあるシネマ・チュプキ・タバタで15日、「アリラン ラプソディ〜海を越えたハルモニたち〜」(125分、2023年)を見た。「獄友」など冤罪をテーマとした作品でも知られる在日2世の金聖雄監督の7本目の作品だ。「花はんめ」(2004年)の続編で、川崎市川崎区桜本に生きる在日朝鮮人の女性たちを25年間取材した作品だ。
「青春を取り戻す人生賛歌」
金氏が最初にカメラを構えた時、ハルモニたちの反応はよくなかった。金氏は「辛かったことは聞かないでおこう」と決めて撮影した。金氏が寄り添ううちに、ハルモニたちは次第に心を開き、思い出したくもない貧困と差別の過去を徐々に語っていくハルモニたちが「青春を取り戻す人生賛歌」(金監督)だ。