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相模原市人権条例案に批判が集中

2024年02月07日 11:04 社会を知る~今週のnewsトピック~

日本社会や在日同胞を取り巻くニューストピックを週に一度、紹介する。

相模原市人権条例案に批判が集中

差別の規制を主な内容とした「市人権尊重のまちづくり条例」の制定に向け、相模原市(神奈川県)が12月8日~1月5日にかけて実施した市民意識調査に関して、その内容が「恣意的」であると有識者から批判が相次いだ。

無作為に選ばれた18歳以上の市民3000人を対象に行われた同調査では、「市内で差別的言動を見かけたことがあるか」や、「不当な差別的言動が規制されることについて不安があるか」などが問われた。

問題視されたのは、不安が「ある」と回答した場合、次の質問で「差別ではないと思っていた発言等が原因で処分されないか」「禁止命令や罰則などにより、市民が自由に発言することができなくなるのではないか」など「不安」に該当する具体的な選択肢が複数用意された一方で、規制の実施により生じるメリットについて触れた質問が1つもなかった点だ。

これに対し、有識者からは「安心して市民生活が営まれるなど条例施行のプラス面が全く記述されてなく中立的でない」「答申から大きく後退したという批判に対する反論として、根拠が欲しかったのでは」と非難の声が上がった。

同市では、2016年に市内の障がい者施設で45人が殺傷された「津久井やまゆり園事件」の発生以降、差別を禁止する法的規制の制定を推進してきた。しかし、条例案を諮問された有識者による市人権施策審議会の答申では、悪質な差別的行為は罰則の対象とする案などが盛り込まれた一方、昨年11月に市が公表した条例案では、対象を本邦外出身者に限り、罰則を設けなかった。その他にも、積極的な差別禁止を内容とした答申を無視した市の骨子案に対し、市民からは批判の声が上がっていた。

1月25日には、市民団体「日本・コリア・在日をつなぐ会@相模原」が市へ、条例案の骨子を見直すよう要請した。条例を巡っては市に対して、スタンディング活動などを通じ骨子の白紙撤回を求める声が連日寄せられている。

6日、市は調査結果を基にした条例案を公表したが、罰則規定は設けられなかった。条例は今年4月に施行予定。

永住者資格の取り消し範囲拡大を検討

日本政府が「永住者」の資格を持つ外国人のうち、税金や社会保険料を納付していない場合に、在留資格を取り消すことを可能にする法改正の検討を始めた。朝日新聞が5日付で報じた。

外国人の受け入れが広がる一方、公的義務を果たさない場合の対応を強め、永住の「適正化」を図る狙いだという。

「永住者」の資格は「特別永住者」と同じく、在留期間や就労分野などに制限がない在留資格。長期間、日本に暮らしている外国人が申請し、法相が許可した場合に取得できる。「永住者」の資格所有者数は、2000年代から増加傾向にあり、昨年6月末時点で約88万人。在留外国人の約27%を占めている。

これまで、在留資格を取り消すことができるケースは、虚偽の内容や手段で在留許可を得たり、住所地を偽って届け出た場合に限られていた。

昨年6月に強行採決された、強制送還制度を導入した「改正入管法」をはじめ、排他的な外国人政策を推し進める日本政府に対し、より人道的な政策方針を求める声が上がっている。

(朝鮮新報)

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