〈朝鮮の国際情勢認識〉米国の強権と横暴の帰結/BRICSの拡大、ドル覇権の終焉
2024年01月19日 09:27 対外・国際昨今の国際関係で新冷戦の構図が深まる中、朝鮮は対外政策において自主的な立場を堅持している。激動する国際情勢を朝鮮はどのように捉えているのか。朝鮮外務省が発信する談話や関係者の見解、国内メディアの報道などを通じて探る。
ブラジル、ロシア、インド、中国、南アフリカの新興5カ国で構成されたBRICSは結成以来、国際的な地位と影響力を高め、世界の多極化を加速させてきた。今年1月1日にはイラン、サウジアラビア、エジプト、アラブ首長国連邦(UAE)、エチオピアを新たな加盟国に迎え入れ、10カ国に拡大。これにより世界の人口の45%、原油生産の44%、GDPの37%を占めることになった。GDPではG7(29.9%)を上回っている。
民主朝鮮1月14日付の記事は、「新興経済国の協力体として出現したBRICSが、今日は米国をはじめとする西側諸国に対抗する政治色をより鮮明にしている」とし、「西側にとって悪夢となる事態をもたらした張本人は、米国をはじめとする西側諸国である」と指摘。そのうえで、新たにBRICSに加盟した中東諸国の動機を掘り下げている。中東4カ国(イラン、サウジアラビア、エジプト、UAE)の中には米国と対立する国だけでなく、米国と良好な関係性を築いてきた国々も存在する。しかし、親米の傾向がある国々ですら、覇権戦略への加担を強要し、自主権さえ侵害する米国に拒否感を示しているという。これに関連して、朝鮮メディアはサウジアラビアとUAEの動向に注目している。