〈成人式2024〉東京/感謝と期待を胸に未来へ
2024年01月11日 11:23 暮らし・活動在日朝鮮青年の日(1月8日)に際し、20歳を迎える同胞青年たちを祝う集いが各地で行われている。
「2024年に20歳を迎える東京朝鮮青年たちの祝賀会」(主催=総聯東京都本部、主管=朝青東京都本部)が7日、都内のホテルで行われた。
この日の祝賀会には、総聯中央の朴久好第1副議長兼組織局長、総聯本部の高徳羽委員長、女性同盟本部の趙英淑委員長、都商工会の具本憲会長、朝青中央の李光日委員長、朝青本部の金志弘委員長をはじめとする各組織・団体の関係者と、20歳を迎えた新成人とその家族ら約180人が参加した。
今年の祝賀会に参加した同胞青年たちは、高校時代をコロナ禍の中で過ごした世代だ。1部の成人式で祝辞を述べた高徳羽委員長は、そうした困難の中でも、民族教育を思う同胞や保護者たちの熱意によって、2年前の2022年、東京中高で学校創立75周年記念事業の一環として、人工芝の張り替えなど運動場が再整備されたことに触れながら、同胞たちの愛情や信頼を忘れずに、在日朝鮮人として力強く人生を歩んでほしいとエールを送った。
次に、各地から届いた祝電の紹介につづき、女性同盟本部の趙英淑委員長が、新成人代表に記念品を手渡した。
参加した同胞青年らを代表し舞台に立った康良宇さん(朝鮮大学校・政治経済学部)は、20年間、自身らを育ててくれた両親や恩師たちへの感謝を述べたうえで、「先代たちが注いでくれた愛情を、次は自分たちが後代に注いでいきたい。そうして同胞社会の発展に貢献していく」と決意を述べた。
2部の祝賀宴では、初中級学校時代の恩師から届いた映像メッセージの紹介、抽選会、東京朝鮮歌舞団による公演などが行われた。色鮮やかなチマ・チョゴリや凛々しいスーツ姿で出席した新成人たちは、久しぶりに再会した同級生や保護者らと写真を撮るなどして、大人の仲間入りをした喜びを分かち合い、未来への決意を共にしていた。
金樹元さん(東京第2初級出身)は母校で過ごした日々を思い浮かべ「先生たちに少なからず迷惑をかけてしまったかもしれない。振り返ると感謝の念でいっぱいだ」と話す。そして両親から「周囲の人々への感謝を忘れずに」と度々言われてきたその意味を噛みしめていた金さんは、「母校にも顔を出し、自身を育ててくれた同胞社会にも恩返ししていきたい」と語った。
東京音楽大学で声楽の研鑽を積む鄭翔栄さん(東京第5初中出身)は「音楽の道に進むきっかけを与えてくれた先生や学校生活を支えてくれた同胞たちの期待に応えるべく、世界最高峰のベルリン・フィルハーモニー管弦楽団で活躍する声楽家を目指し、勉学に励みたい」と意気込んだ。
「あっという間の20年だった」と話すのは今年20歳を迎えた趙裕美さんの父である趙政顕さん(47)。「わが子が『自分の民族の言葉を話せるように』と妻に説得され、ウリハッキョに送った」と朝鮮学校に送った当時を思い起こした。「久しぶりの同胞行事だ」と笑みを浮かべた趙さんは、同胞コミュニティの「変わらない温かい雰囲気」に包まれながら、青年たちの華やかなチマ・チョゴリ姿に目を細めていた。
(文・韓賢珠、高晟州、写真・盧琴順、高晟州)