前田朗氏による基調講演／国連人権勧告の実現に向けた集会

7日の集会「第11回国連・人権勧告の実現を！」（衆議院第1議員会館）で行われた、朝鮮大学校法律学科講師の前田朗氏による基調講演では、「差別されない権利」の概要や包括的反差別法制定の必要性などが述べられた。「包括的差別禁止法をつくろう！」をテーマに行われた本講演の概要を紹介する。

国連人権勧告の実現に向けた集会が衆議院第一議員会館で行われた

反差別・反ヘイトの現状

基調講演ではまず、日本での差別・ヘイトとそれに反対する闘いの現状が紹介された。前田氏は2016年に施行された障害者差別解消法やヘイトスピーチ解消法、部落差別解消法といった、差別解消のための法律が制定され始めてはいるものの、どの法も差別を明確に禁止してはいないと指摘。日本で初めてヘイトスピーチに対する罰則を盛り込んだ川崎市の反ヘイト条例についても、違反行為が3回繰り返されて初めて処罰の対象となることから十分とは言えないとしながら、日本における差別を根絶するための法体制は諸外国と比較して非常に遅れていると述べた。