〈時事エッセー・沈黙の声 42〉中川五郎氏が岡山でライブ/浅野健一
2023年12月16日 08:00 寄稿反差別訴え、「1923福田村の虐殺」熱唱
岡山県真庭郡新庄村の村役場ホールで8日夜、法務省人権啓発活動地方委託業務として「中川五郎トーク&ライブ in 新庄村」が開催され、鳥取、兵庫など近隣の住民を含め約50人が参加した。1960年代から社会的弱者、少数者に光をあてたプロテストソングを歌い続けてきた中川氏は、休憩なしで2時間熱唱した。米国の60年代のバラッドと呼ばれる歌に乗せて伝える形式を取り入れた語りのような歌声が、木造りのホールに響き、聴衆の心を惹き付けた。
映画制作のきっかけに
中川氏は「今回は最初に重い歌から始めたい」と話し、最初の曲に、関東大震災時の福田村事件を題材にした「1923年福田村の虐殺」を選んだ。2009年に発表した23番からなる約26分のこの曲は、今年9月1日に公開された劇映画「福田村事件」(森達也監督)の制作のきっかけにもなった。