〈今月の映画紹介〉アフター・ミー・トゥー/パク・ソヒョン、イ・ソミ、カン・ユ・ガラム、ソラム監督
2023年11月29日 10:00 社会「# Me Too」のその後、コミュニティーの課題
「今月の映画紹介」では、上映中または近日公開予定の注目映画を、月に1度、紹介します。
2017年秋、米紙ニューヨーク・タイムズは、当時ハリウッドで影響力のあった映画プロデューサー、ハーヴェイ・ワインスタインの恒常的な性暴力をスクープした。これをきっかけに、世界各地では、性暴力やセクハラ被害を受けてきた女性たちが次々と沈黙を破り、「# Me Too(私も告発する)」を合言葉に自身の被害を告発するムーブメントが起こる。この世界的な社会変革の波は、南朝鮮社会でも同様に起こった。
南朝鮮では、その前年である2016年、当時23歳だった女性が、見知らぬ男に殺害される通り魔殺人が発生。「女性への憎悪」を犯行動機としたこの事件は、南社会に大きな衝撃を与えた。その後、南朝鮮での「#Me Too」運動は18年に、現役の女性検事が上司からの性暴力を告発したことを機に急速に広がっていく―。
映画「アフター・ミー・トゥー」は、そのタイトルからもわかる通り、「#Me Too」運動のその後を描いたドキュメンタリーだ。この問題をとりまく21年現在の「課題」、そして女性たちの実践がもたらした「連帯の軌跡」をオムニバス形式で紹介している。