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不変の闘志で力と勇気を与え/大阪中高ラグビー部地区予選決勝

2023年11月18日 15:13 民族教育 スポーツ

第103回全国高等学校ラグビーフットボール大会(以下、「花園」)の大阪府予選・第2地区決勝が12日、花園第1グラウンド(東大阪市)で、大阪中高ラグビー部は大阪桐蔭高に3-24で敗れた。決勝には、大阪中高の生徒や同部OB、保護者、同胞らが応援に駆けつけた。

強豪相手に健闘

12日、「花園」出場を懸けた大阪府予選・第2地区決勝で大阪中高は大阪桐蔭に3-24で敗れた。

3大会ぶり12回目の「花園」出場を目指す大阪中高ラグビー部。選手たちの気合の入り様は3年間、同部をそばで支えてきたマネージャーの朴菜那さん(高3)が「今までにないくらい」と圧倒されるほどだった。

試合前のアップから闘志を燃やす選手たちに、関係者たちも「『花園』に連れて行ってくれるのでは」と、期待が高まった。

大阪闘球団千里馬クラブのメンバーたちはウォーミングアップから選手らを見守った。同クラブで主将を務める南紀成さん(25)は「大阪桐蔭は言わずと知れた強豪だが、伝統の低いタックルを武器に前に出て、立ち向かっていってほしい」と期待を寄せた。大阪中高ラグビー部の高晃崇主将の母・趙清美さん(46)は「ハードな練習を共に積み重ねてきた仲間、そして自分を信じて念願の『花園』出場を決めてほしい」と語った。

保護者、同胞たちの期待を背に決勝に臨んだ選手たち。前半は先制に成功し、高い集中力でリードを守るも、後半は強豪校の底力を見せつけられる形となった。

健闘およばず大阪中高は、3-24で敗れ、涙を飲んだ。

同校の戦いぶりは「気合いは桐蔭より入っていた。とにかく元気で、タックルも粘り強かった」と、大阪桐蔭の応援に駆けつけた人々をうならせた。

文賢監督は、選手たちが最後まで勝利に向けて一意専心した要因には「応援団の力が大きかった」という。

応援団長として試合終了まで声を張り上げ続けた大阪中高の孫熙洙さん(高3)は「選手たちと心を一つにして応援した。最後まで諦めない戦いぶりにかえって私たちが力と勇気を貰った」と熱く語った。

決勝の応援席

継がれる闘志

試合後には、大阪中高で同校ラグビー部後援会が準備した慰労会が行われ、選手、保護者、関係者らで七輪を囲んだ。

慰労会で、選手たちが同部への思い出を語る際は笑いを誘う一幕もあったが、「花園」にかける思いを吐露した時は、後悔の念に声を詰まらせる選手らに激励の言葉がつづいた。

高晃崇主将の父・高陽浩さん(47)は選手たちの姿を見ながら涙を拭っていた。高さんは「部員数が少ない中でも大阪中高は強豪相手に対等に戦っていた」と話す。自身も大阪朝高(当時)ラグビー部で青春を送った高さんは「低いタックルと『誰にも負けたくない』という闘志は今もしっかりと継がれている。高3の選手たちは後輩たちに堂々たる勇姿を示していた」と語った。

朴大優選手(高3、SO)の父で、同部後援会の会長を務める朴銀秀さん(54)はこれまで「子どもたちのためにという一心でサポートしてきたが今後も『朝高ラグビー』の灯を絶やさないようにもっと盛り上げたい」と力を込める。そして「ハングリー精神を持ち続けて、これからもラグビーを続けてほしい」と、選手たちの未来に期待を寄せた。

試合前に円陣を組む選手ら

外部からの日本人コーチとして同部に8年間携わってきた林義一さん(44)は今年でチームを離れる。

同じ大阪府の日新高校でラグビーをしている息子たちを「朝高に送りたかった」と言うほど、大阪中高ラグビー部に魅力を感じているという林さんは「これからも伝統のラグビーを続けてほしい。選手たちはラグビーができる環境に感謝しながら、練習に打ち込んでくれたら。中級部の選手たちは素質があるので、朝高に進学して、さらにラグビーの技術を磨いてほしい」と心からのエールを送った。

高2で試合に出場した徐志聖選手(LO)と文銘生選手(FL)は「3年生たちからは、技術、ピッチ内外でのふるまい、団結力など、学ぶことが多かった。先輩たちと一緒に『花園』に出たかった」と悔しさをにじませながらも「この悔しい経験を力に変えて、『花園』に出場できるチーム作りに取り組んでいく」と決意を語った。

(高晟州・朴忠信)

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