朝鮮人虐殺の歴史否定を非難/朝鮮外務省日本研究所研究員
2023年11月14日 11:46 対外・国際朝鮮中央通信によると、朝鮮外務省日本研究所の金雪花研究員は13日、「日本は特大型の反人倫犯罪に対する国家的責任から絶対に逃れられない」と題した論評を発表し、関東大震災時の朝鮮人虐殺をめぐる日本政府の歴史否定行為を非難した。
松野博一内閣官房長官は8月30日、関東大震災での朝鮮人虐殺と関連し「政府内に事実関係を把握できる記録が見当たらない」と述べた。この発言について、11月9日に行われた参院の委員会では、松野氏が虐殺を事実として発言した2011年7月当時の国会質疑との矛盾について追及され、同氏は「(質疑に対する)政府見解は『裁判記録がなく、現時点から把握しようとしても困難』ということだった。当時の政府見解と私の発言は矛盾しない」と答えた。
論評はこれに対し、「朝鮮人大虐殺が日本の国家権力が発動され組織的かつ計画的に働いた民族排外主義的な殺戮蛮行だったことは内外が公認する歴史的真実だ」と主張した。
そして、「政府の立場を代弁する内閣官房長官が大虐殺蛮行を否定したのは、犠牲者とその遺族を愚弄する冒瀆として、特大型の反人倫犯罪に対する国家的責任を回避しようとする行為だ」と糾弾した。
また、「日本の社会全般に反朝鮮敵視の雰囲気が依然として蔓延し、朝・日関係が日増しに悪化しているのは、過去の犯罪に対する罪意識がなく、初歩的な人倫道徳も知らない為政者らが権力の中枢を占めていることと無関係ではない」と指摘した。
論評は、「日本が血塗られた過去の歴史を消すためにやっきになっていること自体が、侵略の歴史を踏襲するという明白な反証だ」としたうえで、「犯罪行為を執拗に否認したからといって決して歴史の真相が覆い隠されることはないし、日本はその責任から絶対に逃れられない」と強調した。
(朝鮮新報)