〈蹴球七日~同胞サッカー選手の足跡 22〉ギラヴァンツ北九州・高昇辰選手
2023年10月30日 13:12 スポーツ闘志あふれるインパクトプレーヤー
今季、J3・ギラヴァンツ北九州でプロへの第一歩を踏み出した高昇辰選手(23、FW、京都中高出身)は、ここまで2ゴール2アシスト(リーグ、「天皇杯」含む)と、1年目ながら存在感を示している。スピード、跳躍力、フィジカルの身体能力を武器にする若きストライカーは、ゴールを目指して闘志を燃やしている。
レジェンドに見出され
J3開幕戦(3月5日)、ギラヴァンツ北九州はFC岐阜に1点リードを許すなか、戦況を変えるべく、66分にFW・高昇辰選手をピッチに送り出した。京都中高、日本文理大を経て、今年ギラヴァンツ北九州に入団した大卒ルーキーのプロデビューだった。出場時間は24分だったものの、シュートを放つなど存在感を発揮。高選手は「プロになってすぐさまメンバーに入れるとは思っていなかった。鳥肌が立った」とプロ初出場を振り返る。
続く第2節(同12日)のカマタマーレ讃岐との試合は71分から途中出場。試合終了間際、ペナルティエリア内に抜け出した高選手は相手に体を入れられながらも、カタールW杯のドイツ対日本戦で話題になった「三苫の1㍉」のようにボールをつなぎ、試合を決定づけるゴールをアシスト。最後までボールに食らいつく闘志あふれるプレーで、大きなインパクトを与えた。
京都中高・高級部では高1から3年間、平壌で行われた年代別朝鮮代表を選出する選考試合、強化練習に参加した。高級部に進学する際は日本の強豪校から推薦が届いたが「ウリハッキョを卒業してプロになることがかっこいい。朝鮮学校の価値を見出したかった」と、現在の道に進むことへ少しの迷いもなかったという。
卒業後は、各地の強豪校やJユースから優秀な選手たちが集まる日本文理大に進学。朝高サッカー部と比べると、10倍ちかくの部員数を有する厳しい環境に身を置いた。競争の中でもまれながらも「ウリハッキョ出身でもプロになれるんだぞ」という後輩たちへの思いは常に胸に刻んでいた。
ギラヴァンツ北九州のレジェンドとして知られる