ネット上のヘイト削除/ガイドラインが公表される
2023年09月29日 10:33 時事近年、在日朝鮮人をはじめとするマイノリティを脅かすヘイトクライムが相次ぐ中、加害者らの犯行動機に、インターネット上のデマが影響を及ぼした例が少なくない。一方、デマと共に犯行を煽る作用をするのが、ネット上の差別的言動、ヘイトスピーチだ。そのようなネットヘイトの対策について考えるシンポジウムが20日、オンライン開催された。弁護士や研究者からなる「ネットと人権法研究会」が主催した。
この日のシンポでは、実際にヘイトスピーチがSNS上に投稿された際、発信者の情報開示や人権侵害情報の削除などを担うプロバイダ向けに、削除判断をサポートする「オンラインヘイトスピーチガイドライン」が公表された。
同ガイドラインは、オンラインヘイトスピーチの具体例を挙げながら、プロバイダが削除すべきヘイトスピーチについて、「最優先で削除すべきもの」「迅速に削除すべきもの」「積極的に削除すべきもの」「削除すべきもの」の4段階に分類。主催メンバーの一人である師岡康子弁護士は、「被害者救済の必要性は緊急であり、禁止法が整備される前に、本ガイドラインを削除要請の運用改善にぜひ役立ててほしい」と発言。今後、地方自治体や事業者らが、判断する際の基準として活用するよう、広く促していきたいとした。
一方、シンポでは、京都大学の曽我部真裕教授による基調報告「ネット上のヘイトスピーチの問題点と近年の動向」に続き、宮下萌弁護士がガイドラインについて解説。また師岡康子弁護士が「近年のネットヘイトの被害について」と題して報告し、李春熙弁護士がコメントした。
(韓賢珠)