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各地で虐殺省み、差別に対抗する動き

2023年08月30日 14:30 社会を知る~今週のnewsトピック~

 

日本社会や在日同胞を取り巻くニューストピックを週に一度、紹介する。

各地で虐殺省み、差別に対抗する動き

9月1日で関東大震災朝鮮人虐殺から100年を迎えるにあたって、日本各地で、虐殺の事実を広め、差別に対抗する動きが広がっている。

8月27日、大阪市では集会が行われた。震災時の朝鮮人虐殺の真相究明や、現代に横行する差別行為の反対を目的とした集会では、ジャーナリストの中村一成さん(53)が講演を行い、歴史否定やヘイトスピーチについて非難した。

香川県高松市の人権団体「ActNow!!Kagawa」は8月28日、同県に対し、震災時の虐殺を教訓とし、差別に基づく暴力行為が再発しないための動きを求める請願書を提出した。県の担当者へ手渡された請願書では、関東大震災朝鮮人虐殺の一要因となった流言飛語などに言及し、日本の公教育における歴史教育の見直しや、行政としてデマや差別発言へ厳格な対応をするよう要求した。

川崎市、ネットヘイトが昨年度の15倍

神奈川県川崎市が、市民から条例に基づく削除要請を受けたネット上の差別投稿が、昨年度の15倍であることを発表した。8月の時点で、300件近くの投稿が確認されている。

同市の福田紀彦市長は、8月28日の記者会見で「深刻な人権侵害であり、許されない」と市の立場を表明。差別に対し「国でも対応をしっかりと議論して欲しい」と促した。

川崎市は2020年7月、日本の地方自治体で初となるヘイトスピーチに刑事罰を科す人権条例を制定したが、その一方でネット上の差別行為は規制が困難で、増加の一途をたどる。自治体の動きだけでは限界があることから、明確な差別禁止法の制定など、差別解消のための国の積極的な対応が求められるとの声が上がっている。

米首都でデモ集会も、同日にヘイトクライム

1963年8月28日、マーティン・ルーサー・キング牧師が人種差別に抗議し、すべての人々への自由と民主主義を訴えた演説「私には夢がある」を行ったことでも有名な「ワシントン大行進」が行われた。

8月26日、このデモ行進の60周年に際し、米首都ワシントンで大規模集会が行われた。数万人が集まった集会で、参加者らは黒人、アジア系アメリカ人、性的少数者や子どもたちの公民権を訴え、民主主義とすべての市民の平等のために共に闘うことを決意した。

一方で同日、同国南部のフロリダ州にて、20代の白人の男が黒人の男女3人に銃を発砲し、殺害する事件があった。犯人は事件後、自殺した。

地元警察の調査によると、加害者は犯行前、FBI(連邦捜査局)や家族、メディアに対し黒人への憎悪について記した声明文を残していた。米司法省は、今回の事件が人種差別的な動機に基づいたヘイトクライムであるとみなし、調査を行っている。

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