〈関東大震災朝鮮人虐殺100年〉朝・日大学生がオンライン学習会
2023年08月07日 16:47 歴史史実を前に、どう行動するのか
7月27日、「朝鮮人虐殺の歴史を記憶し、朝鮮人差別を反対する一大行動」実行委員会が主催するオンライン学習会が行われた。
留学同の在日朝鮮人学生と日本人学生で構成される同実行委が主催したこの日のイベントは、8月21日に行われるデモと集会に多くの若者たちを集めるため、前知識をつける場として開催された。
イベントは2部構成で行われ、第1部の講演会には60人が、第2部の学生交流会には15人の学生たちが参加した。
第1部では鄭永寿さん(朝鮮大学校講師)による講演「関東大震災100年をいかに迎えるのか-朝鮮人虐殺をめぐる被害と運動から考える-」が行われた。
講演では、はじめに「文戊仙さんの生から考える100年」というテーマで、虐殺のトラウマ的な記憶に苦しみながら生きてきた被害者と、かれらの告発を無視しつづける日本政府の不作為の暴力について言及があった。
続いて、▼朝鮮人虐殺が起こった歴史的背景と国家主導の虐殺であったこと、またそれらを国家が隠ぺい・正当化していることについて、▼体験者や生存者が抱える肉体的・精神的な苦痛について、▼在日朝鮮人による真相究明および責任追及の運動について▼虐殺に関する歴史修正主義の動きと、暴力が再生産されている現状について話された。
講演では、生き返ることのない被害者の苦しみを考えた時、そもそも「解決」や「清算」がありえるのか?という提言の下、徹底した真相究明と責任追及を要するこの問題を通して、参加者が自身やこれまでの運動を問い直すことが重要だと話された。
また、100年前の出来事を「二度と繰り返してはならない」という「教訓論」とするのではなく、本来「一度たりとも起こってはならなかった」という立場が重要であることが強調された。
最後に朝鮮半島の分断が激化している今日、分断と戦争を克服するため、日本の植民地主義を批判し克服するための100年にすること、また虐殺の原因と責任、被害を徹底的に明らかにし、日本政府と日本社会が当時の虐殺のみならず現在の暴力の継続に対する責任を果たすことが求められていると提起された。
その後、質疑応答があった。第1部終了後、第2部の学生交流会が行われた。
交流会では4つの班にわかれ、講義の感想や印象に残った点について話し合われた。また、参加者たちは、運動が受け入れられない社会の中で、自分たちがどのように行動していくのかなどについて積極的に話し合った。
【留学同中央】