差別のない社会へ/連帯を示す議員たちの声
2023年07月03日 13:03 権利朝鮮学校支援団体主催の集会で
朝鮮学校を支援する全国ネットワークと朝鮮学校「無償化」排除に反対する連絡会が主催する集会と省庁対話が6月27日、参議院議員会館で行われた。この日、集会に参加した参議院議員3人の発言を紹介する。
支援の輪を広げよう
社会民主党副党首の大椿裕子参議院議員は、自身が住む大阪市生野区には在日朝鮮人が多く暮らし「多文化共生の歴史を築いてきた」としながら、2010年、当時の大阪府知事が朝鮮学校を訪問した後に同校への補助金の不支給を決定したことについて言及。「地方自治体による弾圧が(社会全体の)朝鮮学校排除の動きにつながっている」と強調した。そして、自身がかつて教職員組合の一員として毎年参加していた文科省との交渉について振り返りながら「当時、朝鮮高校への無償化制度適用もテーマに上がった。文科省担当者は『外交によって子どもたちの教育は左右されない』と発言していた」とし、「その後、(朝鮮学校は)政治外交的理由で無償化制度から排除された」と政府の二枚舌を批判した。「民族教育の大切さを強く感じている」と語る大椿議員は朝鮮学校支援の輪を広げる運動を拡大していきたいと意気込んだ。
日本共産党の吉良よし子参議院議員は、各種支援制度からの朝鮮学校排除は「国際人権規約やこどもの権利条約に違反する差別だ」と断言し、「問われるべきなのは朝鮮学校の政治的な立場ではなく、戦前の日本の植民地支配責任ではないのか。100年前の関東大震災朝鮮人虐殺を、現代で繰り返さないために差別の是正が求められている」と述べた。
自身が議員になる以前に神奈川中高の生徒たちと出会ったという立憲民主党の古賀ちかげ参議院議員は「凛としていて自分の考えを持った」生徒たち、「さまざまな苦しみがあるなかで差別に屈せず誇りを持って明るく生きる生徒たちの姿に感銘をうけた」と述べ、「子どもたちが夢をもてるような社会の実現に向けて精一杯努力していきたい」と力を込めた。
(高晟州)