〈関東大震災朝鮮人虐殺100年〉追悼事業実行委が第2回学習会
2023年07月06日 08:31 歴史告発の声に真摯な応答を
「関東大震災朝鮮人虐殺100年―虐殺犠牲者の追悼と責任追及の行動」実行委員会(以下、実行委)が主催する学習会が6月28日、東京千代田区の連合会館で行われ、同胞や日本市民ら160人が参加した。
朝鮮人強制連行真相調査団やフォーラム平和・人権・環境(以下、平和フォーラム)など朝・日の各団体と個人により発足された同実行委では、今年1月の発足以来、学習会や院内集会などを開催。当時の虐殺について本質を捉え、日本政府に対し犠牲者への謝罪と真相究明の着手を迫る各種取り組みを行ってきた。
2回目の学習会となったこの日はまず、実行委を代表し、事務局長の藤本泰成さん(平和フォーラム共同代表)があいさつした。藤本さんは「本当に残念なことは、1945年の敗戦後も日本社会そして日本の政治が植民地支配を反省し総括することなく、それをアジアへの差別意識とともに温存し続けてきた」と指摘。100年前の朝鮮人虐殺を問うことは、植民地主義を払拭した日本社会をつくることにつながると強調した。
つづいて、当時の虐殺目撃者である文戊仙さん(故人)の証言映像が上映されたのち、金哲秀さん(朝鮮大学校教授)が映像と関連し解説した。
虐殺の記憶による深い傷に長く苦しんだ文さんは1999年、日弁連に対して人権救済申し立てを行った。日弁連は裁判記録や公文書などの膨大な資料をもとに、約4年間調査を行い、03年に日本政府に対し、虐殺の真相究明と謝罪を求める日弁連勧告書を提出した。金さんは、勧告書の重要な指摘について説明し、「100年の節目を迎える今こそ、文さんをはじめとする被害者や遺族の告発の声に真摯に応えていかなければ」と述べた。
学習会では、「関東大震災時の朝鮮人虐殺はいつどこで起こったのか 各地の事件を探る」と題し、専修大学の田中正敬教授が講演を行った。
(韓賢珠、朴忠信)