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金剛山歌劇団2023年巡回公演が開幕

2023年06月13日 18:01 主要ニュース 文化

感謝と希望、風となり届けたい

舞踊「モランボンの春」

金剛山歌劇団2023年アンサンブル公演「風になって」が7日、東京公演(東京都北区・北とぴあ)を皮切りにスタートした。

会場には、総聯中央の許宗萬議長、朴久好第1副議長兼組織局長と各副議長、総聯東京都本部の高徳羽委員長、金剛山歌劇団の金正守団長、東京・平壌「虹の架け橋」の 江口済三郎代表、東京都議会の高倉良生議員、大松あきら議員、日朝区議会連絡会の保坂正仁代表をはじめとする同胞・日本市民など約1000人が訪れた。

祖国と在日同胞、日本の友人たちに向けた「思い」が込められた2023年公演「風になって」。今年の巡回公演のテーマについて、金正守団長は「対朝鮮敵視政策が極限に達した中でも、明るい未来を信じ揺らぐことなく突き進む祖国、差別や困難を前にしても祖国を思い、生を紡ぐ在日同胞たち、日々寄り添い応援してくれる日本の友人たちが存在する。歌劇団の歌や踊り、演奏が、感謝とエール、希望と喜び、そして親善の風となってみなに届くように…そうした強い願いを込めた」と説明した。

歌劇団の民族管弦楽団員らが総出演し、美しい音色を場内に響かせた器楽演奏「風になって」で幕を開けた公演では、混声7重唱「栄えある祖国よ」、独舞「ピョンゴの舞」、舞踊「貝殻の舞」、男声独唱「ああ、我が祖国」、チャンセナプ独奏「ブランコに乗る乙女」、民謡メドレーなど、民族の情緒にあふれ、祖国や同胞社会で長らく愛されてきた作品をはじめとする全14演目が披露された。一方でこの日、ラストを飾ったのは、今年度ツアー公演で初披露となる舞踊「カンソンプフンアリラン」。観客たちは、舞踊手らが巧みにチャンゴを捌き、サンモを回す姿に、この日一番の声援を送っていた。約1時間半にわたる珠玉のステージは、拍手喝采のなか締めくくられた。

初公演を終えた団員たち

東京都議会の高倉良生議員は、中野区議として議員生活をはじめ、これまで東京第9初級など地域の朝鮮学校や在日同胞コミュニティーとの交流を重ねてきた。そうした縁で、歌劇団公演にも「巡り合った」と話す。高倉議員は「今年は新型コロナが蔓延した時期の公演とは異なり、多くの観客たちを前に、出演者の方々も思い切り演舞していて終始圧倒された」と感想を述べながら、「感動や喜び、驚きといった感情を誰もが共有できるのが文化芸術。交流や絆を結ぶうえで重要な文化芸術を通じて、日朝の交流親善を後押しする流れができたら」と期待を込めた。

「すごく美しく迫力があった。一方で慣れ親しんだものとそうでないものがあって感慨深いステージだった」。そう話すのは、南朝鮮から日本へ留学中のチェ・イェリンさんだ。朝鮮の音楽やチャンダンを直に経験したのはこの日が初めてだったと話す崔さんは、「祖国の文化を大切に守ってきた在日同胞たちの歴史が感じられて、感謝と尊敬の念が沸いた」という。社会運動を通じて在日同胞たちの存在を知ったかのじょは現在、大学院で在日朝鮮人女性史を研究している。

「在日同胞たちに出会えたことで、初めて朝鮮半島全体を見渡せた気がした。(南の)多くの若い世代は、今日のような文化芸術を知らず、それはある意味、祖国の分断事実を忘れて生きているともいえる。団員たちの笑顔をみて、統一された祖国で、共にチャンダンに合わせて歌い踊りする日を手繰りよせることができればと切に思った」(崔さん)

(文・高晟州、韓賢珠、写真・盧琴順)

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