岸田首相の「日朝会談」発言巡り/朝鮮の外務次官が談話
2023年05月30日 09:30 対外・国際“行動で問題解決の意志表示を”
朝鮮中央通信によると、朝鮮外務省のパク・サンギル次官が5月29日、談話を発表し、岸田首相が朝・日首脳会談に言及したことに対し、「日本は言葉ではなく実践の行動で問題解決の意志を示さなければならない」と主張した。
岸田首相は同27日の集会で、朝・日首脳間の関係を築いていくことが重要だとしながら、朝・日首脳会談の早期実現に向けて高位級協議を行いたいとする意思を明らかにした。
これに対し談話は、「岸田首相が執権後、機会あるたびに『前提条件のない日朝首脳会談』を望むという立場を表明してきたことを知っているが、かれがこれを通じて実際に何を得ようとするのか見当がつかない」と疑義を呈したうえで、「2回にわたる朝・日首脳の対面と会談が行われたが、なぜ両国の関係が悪化一路だけをたどっているのかを冷徹に振り返ってみる必要がある」と釘を刺した。
談話は、日本は「前提条件のない首脳会談」を主張しながら、「実際においてはすでに解決済みの拉致問題とわが国家の自衛権について何らかの問題解決をうんぬんし、朝・日関係改善の前提条件として持ち出している」と指摘。「日本が何をしようとするのか、何を要求しようとするのかはよく分からないが、もし他の対案と歴史を変えてみる勇断がなく前政権の方式で実現不可能な欲望を解決してみようと試みるのなら、それは誤算であり、無駄な時間の浪費になる」とけん制した。
そして、「過ぎ去った過去にあくまで執着していては、未来に向かって前進することができない」としたうえで、「日本が過去に縛られず、変化した国際的流れと時代にふさわしく相手をありのまま認める大局的姿勢で新しい決断を下し、関係改善の活路を模索しようとするなら、朝・日両国が互いに会えない理由がないというのが、共和国政府の立場だ」と表明した。
(朝鮮新報)