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〈青商会、挑戦と継承の足跡〉Ep.9 全地方組織の再建と結成(2)

2023年05月04日 08:21 在日同胞

北海道から九州まで全域をカバー

北陸に70人が駆けつけ

北陸地方では、1998年に青商会組織の結成を目指す動きがあったが、結成には至らなかった。

一方で、2002年に30、40代の同胞青年たちの親睦会である「三四会」が発足。交流を深め、情報を交換し、北陸朝鮮初中級学校への寄付も行ってきた。

この地域の同胞たちは、同胞社会を守り発展させるうえで要となる30、40代が先頭に立ち、運動を牽引することを強く望んできた。それが2012年11月11日、福井、石川、富山を管轄する北陸青商会の結成という形となって実を結んだ。

北陸青商会の結成総会には各地青商会の役員約70人が駆けつけ門出を祝った

この日、北陸初中で行われた結成総会には約200人が参加した。北陸3県の総聯・女性同盟の活動家、朝青北陸地方委員会のメンバーや保護者を含む同胞、教員ら、同校を支援する市民団体関係者らだ。また、前日に福井県で開かれた青商会中央幹事会に参加した各地の青商会幹事らも駆けつけ、北陸青商会の門出を祝った。

その数は70人に及んだ。

「結成総会に先立ち、現地の女性同盟関係者に、各地から青商会メンバーが何人くらい集まるのか聞かれので70人くらいと答えたら『そんなことありえない』って言ってたのだけれど、実際にみんなで行ったら本当にびっくりしちゃって」(中央青商会の洪萬基会長、15、16期、11年7月~13年9月)

この日、北は北海道、南は九州から駆けつけた青商会の幹事たちが力強い合唱を披露。同校生徒や教員らに記念品を贈った。

北陸同胞たちは青商会の姿に圧倒されていた。

総会で北陸青商会初代会長に選出された裵正植会長をはじめ、同胞社会と学校を守るべく立ち上がった青年たちの姿に、大きな期待を表し、青商会に力をもらったと口をそろえた。

現地の活動家、教員、同胞たちは、「北陸はまだまだやれる」と声をあげ、総聯・女性同盟顧問たちも「われわれもじっとしてはいられない。青商会と一緒にがんばりたい」と語った。学校へのさらなる支援を申し出た商工人もいたという。

青商会組織の結成と各地青商会メンバーの盛大な祝福は、現地の同胞たちをおおいに勇気づけた。

「全国巡りが週末の仕事」

「青商会が活性化されれば同胞社会が活気づく」「青商会ネットワークに北陸も参加し、共に同胞社会を盛り上げよう」

このように熱く呼びかけてくれた青商会中央役員らの熱意に押され、各地の青商会活躍を知り、仲間たちと思いを共有する過程で、北陸青商会結成を決意したと裵正植会長は総会で明かした。

裵正植会長が言うように、結成には中央青商会の役員らの後押しがあった。

北陸だけではない。中央青商会の役員たちは隈なく日本の各地を回り、地方・地域青商会の結成、再建をサポートした。

滋賀県青商会を再スタートさせた滋賀の同胞青年たち(12年7月)

中央青商会の姜尚賢会長(13、14期、09年7月~11年7月)は「私が会長をやる以前は、おそらく、地方からしてみたら中央から役員が来ることに拒否反応が多分にあったと思う。しかし、どこにでも顔を出すことによって、中央と地方の距離が近くなった。各地域には元気ある若手が多い。大きな潜在力があると実感している」と振り返る。

金昌浩副会長(16期、12年6月~13年9月)も各地を駆け巡った。「洪萬基会長といろんな地域を回った。週末、それが仕事みたいだった」と当時を思い起こす。

そして、地方・地域組織を担っていく会長候補などと熱い会話を交わした。「みんな気持ちがある人たち。お酒を飲みながら、一緒に頑張ろう、このままじゃあかんやろ、俺らがやらなければ誰がすんねんと、こんこんと話した。すると、せっかく遠くまで足を運んでもらってたんで、と言いながら受け入れてくれた」(金昌浩副会長)。

一方、洪萬基会長は「基本的に、同胞はみなウリハッキョのためという目標が一つだから、また、やり方が違ってもみんなゴールが一緒だから、会えばすぐ分かち合えた。(結成・再建の)タイミングがあるだけで、私たちが現地に赴いて一緒にやっていこうと言ったら、そんな深い話をする必要もなかった」と話す。

勇気をもらい使命感に沸いた現地の青商会メンバーによって、その後、地方・地域青商会が盛り上がっていった。

13年の総会で誇らしく総括

青商会は組織の特性上、役員と会員たちは一定の年齢になると「卒業」し、後進にバトンタッチすることになる。

1995年の結成から15年前後の歳月が流れたこの時期、後進たちは青商会の活動を継承しながら会員をいっそう増やし、組織基盤もより強固にしていった。

一部の地域青商会が活発だった活動を一時停止せざるを得ない状況に陥ることもあった。

そんな中、各地を奔走する中央青商会役員たちの活動が実り、地方・地域の組織はそこに生活する30代の核心メンバーたちによって次々と活気を取り戻していった。

この時期、兵庫県内の地域青商会が次々と再建され、12のすべての地域組織が活発に活動するようになった。

また、12年7月に滋賀県青商会が再スタート、同年11月に前述の北陸青商会が結成されたのに続いて、13年5月には三重県青商会が再スタートした。これによって北海道から九州までの全域に組織を築き、すべての地方青商会が一つのネットワークで結ばれた。

13年9月に行われた第17回総会では、結成以来初めて青商会組織を日本のすべての地方に設け、すべての県と地域で青商会組織が躍動する組織に拡大・強化されたことが誇らしく報告された。

青商会第17回総会では、結成以来初めて青商会組織を日本全域に設けたことが誇らしく報告された(13年9月)

(つづく、姜イルク)

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