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〈読書エッセー〉晴講雨読・日本語に翻訳された現代朝鮮短編・中編小説/任正爀

2023年04月26日 09:00 寄稿

現在、本紙6・7面には現代朝鮮の短編小説が連載されている。そのいきさつは、2021年6月30日付「晴講雨読-朝鮮の短編小説あれこれ-」で詳しく述べたが、この2年間で当初予定されていたものはほとんど終えた。そこで今回は改めてそのいきさつとともに、今後の予定について述べておきたいと思う。

ある時、本紙主筆(当時)との雑談のなかで、6・7面下段に相応しいコンテンツはないかと意見を求められた。すぐに朝鮮の小説を提案したが、日本語訳も必要ということで、それに沿うラインアップを考えることになった。

できるなら本国で日本語に訳されたものならば安心であり、それらは在日同胞をはじめ日本人に推奨する作品となる。幸い1965年前後に平壌の外国文出版社から3冊の短編小説集が刊行されていた。それが、金秉勲「道づれ」、石潤基「幸福」、千世鳳「春の農村にやってきた若者」、陳載煥「魚のために道を拓こう」、黄健「燃える島」、李相鉉「倅は前線で戦っている」、朴雄傑「通信兵」の7編である。

ただそれだけでは工夫がないので、総聯組織内の出版物からいくつかピックアップした。最初に浮かんだのが大学時代に大きな話題となった「海州―下聖からの手紙」で、『朝鮮時報』の同窓生が翻訳したものを確認した(後に『新しい世代』にも掲載された)。

次には作家として高く評価されている人の作品として、まず李北鳴「労働一家」を雑誌『統一評論』で見つけた。李北鳴は解放前からプロレタリア作家として知られた人で、当時の代表作が「窒素肥料工場」である。

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