空腹にあえぎ…/佐渡で強制労働の証言集会
2023年04月24日 14:52 歴史戦時中、佐渡鉱山(新潟県)で強制労働させられた朝鮮人労働者の遺族の証言を聞く集会(主催=韓国・強制動員の証言を聴く集い実行委員会)が22日、佐渡市あいかわ開発総合センターで開かれ、81人が参加した。この日のために南朝鮮から来日した元鉱山労働者である鄭雙童(チョン・サンドン)さん(故人)の息子・鄭雲辰さん(70)は「佐渡鉱山に動員されたすべての人の記録が遺族に伝えられ、痛ましい歴史を記憶し、追悼できるようになることを願う」と話した。
この地で強制労働に関する証言集会が行われるのは約28年ぶり。主催団体は、佐渡での強制労働問題に長年取り組んできた地元市民らと、強制動員真相究明ネットワークによって構成された。
鄭雙童さんは30代後半の頃、労務動員に伴い全羅北道益山から佐渡鉱山へ連行された。鄭雲辰さんは雙童さんの帰国後に生まれた。父から「佐渡に行った」「銅を掘る作業をした」などという話を聞いてきた。
とりわけ雙童さんが繰り返し話したのが食事と空腹についてだったという。「空腹が一番の苦痛だったため、食べ物に関する記憶が最も鮮明だったのかもしれない」と雲辰さんは推測した。