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〈続・歴史×状況×言葉・朝鮮植民地支配と日本文学 54〉朝鮮認識の基本にたちかえるために/小田実①

2023年04月14日 10:57 寄稿

「韓国で私はその日(八月十五日)解放記念日の式典を見たことがあるが、はなやかな式典の外で、人びとは飢え、圧政に苦しんでいた。そして、ふしぎなことに、こういう支配者たちと、たとえば佐藤(栄作元首相)さんは手を結んでいて、その結び目は強い。八月十五日にもかかわらず」――これは1973年に小田実が書いた言葉(『市民の暦』)だが、過去も主権も売り飛ばし戦争屋の忠犬となっていそしむ南の尹錫悦政権と日本の現政権、一体どこが違うだろう。50年前と何ら変わらぬ構図の、それもひどい劣化コピーぶりに、しかもこれらによる新たな戦争へとつながりうる危険な火遊びに、私たちは立ち会っている。

小田(1932―2007)

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