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「抵抗」としての民族文化を/留学同九州文化公演

2023年04月11日 10:04 暮らし・活動

留学同九州による文化公演「文闘」が3月4日、若松市民会館で行われ、約50人が参加した。2021年に続き2回目となる留学同九州の文化公演には、九州各地から9人の学生(福岡4人、大分2人、長崎1人、宮崎2人)が出演した。

公演のテーマは、民族文化を守る意義。出演者らは同テーマへの認識を深め、意見を共有するため、準備過程で朝鮮民族の歴史や置かれている状況についての学習会などを行った。このような日々を経て、同盟員の中には「民族としての思いを共有する雰囲気」が作られていったと、第2部文化公演の責任者を担当した呉旭さん(長崎県立大学2年)は振り返る。

公演当日、第1部では「私たちが民族文化に触れる意義」について考えるディスカッションが行われ、3人の学生が登壇した。ディスカッションでは、まず、在日朝鮮人の歴史や存在が不可視化されている日本社会の中で、朝鮮文化の表現に抵抗の側面があるという提言がなされた。その後、民族文化を通じて行える闘争について議論が深められた。

登壇した盧僖心さん(立命館アジア太平洋大学3年)は日本の高校や大学に通う過程でアイデンティティが揺らぐ中、留学同で民族文化に触れることで自身を朝鮮人として再認識した経験について話した。

第2部では「私たちの闘い」というテーマで、朝鮮語でのスピーチ、サムルノリ、タルチュム、合唱などが披露された。スピーチでは、2人の日本学校出身生が「留学同に出会って変わったこと」「民族に出会う以前と現在の思い」というタイトルで留学同活動への想いを語った。公演フィナーレでは出演者たちによる次のような決意が語られた。

「留学同九州は民族の解放と、同胞学生たちの真の解放のためにも、より多くの同胞学生たちを探し出し、かれらとともに奪われた民族の心を取り戻していく。そして、一人でも多くの同胞たちが胸を張って生きられるように、私たちが先頭に立ち、在日朝鮮人運動を率いていきたい」

公演を観覧した留学同卒業生は「昨今、文化活動の政治性が失われている中で、それを改めて闘争と位置付けていくことは意義のある活動だ」と語った。

また、ある日本人は「自分の民族の文化、自身を表現することが『闘争』であるのなら、そうならないように日本社会を変えないといけない。日本人である私自身にも責任がある」と、感想を述べた。

感謝の気持ちを胸に

第1部の責任者を担当した金優生さん(九州大学4年)は、公演は同盟員の努力や福岡、広島朝鮮歌舞団の協力など、多くの力を結集して開催できたとしながら、「公演の成功にとても達成感がある。しかし、ここがゴールではない。卒業後も新たな場所で活動に励みたい」と意気込んだ。

第2部責任者の呉さんは、公演が「民族としてのつながりを再認識する契機になった」と振り返り、「これからは、公演を一緒に作り上げた在学生、そして新しく出会う同胞学生と互いに深く知り合うことを大切にしていくつもりだ」と語った。

今回の公演が留学同で参加する最後の行事となる金成純さん(福岡ECO動物海洋専門学校3年)は全体責任者を務めた。成功に寄与してくれた同胞たちの温かい繋がりを感じたという金さんは「公演成功への思いは人一倍強かった。力になってくれた同胞社会への感謝の気持ちを抱きながら留学同九州卒業生として胸を張って生きていく」と抱負を語った。

【留学同九州】

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