“危機の根源は米国に”/ウクライナ事態の原因と現状
2023年03月30日 16:00 対外・国際有識者とメディアの視点から
ウクライナでロシアの特殊軍事作戦が開始された時から1年以上が経つ中、欧米メディアではロシアに対する批判的な論調ばかりが目立つ。一方で、ウクライナ事態を客観的な事実に基づいて分析している有識者や新聞社も存在する。いくかのソースをもとに、同事態の根源と現状を見つめ直す。
米欧の誤った見解
2月23日、朝鮮中央通信を通じて、朝鮮の国際問題評論家による文「今日のウクライナ事態は何を示しているのか」が発表された。事態の本質に迫った同文は、ロシアが対ウ特殊軍事作戦に至った過程にさかのぼりながら、90年代から続くロシアに対する米国と西側の軍事的威嚇と圧迫政策、その意図を明らかにしている。
同文は、米西が追求したNATOの東方拡大政策、ロシアの隣接国家に対する攻撃兵器システム配備などが、外部の軍事的脅威を除去することを目的としたロシアの先制的軍事行動を誘発したと強調。米西の覇権主義政策がウクライナ事態の根源であると主張している。
このような見解を持っているのは、朝鮮の専門家だけではない。米国の著名な国際政治学者、ジョン・J・ミアシャイマー(シカゴ大学教授)は、昨年6月に米政治専門誌『ナショナル・インテレスト』に寄稿した文で、ウクライナ危機を起こした主な責任は米国にあると指摘している。
ミアシャイマー氏は同文で、「米欧ではプーチンがウクライナ危機の原因であり、戦争の唯一の原因であると広く信じられている」が、「プーチンがウクライナの征服と編入に固執している」という主張は誤った見解であると、いくつかの論拠を立てながら反駁している。
また、米国は西側の要塞をロシア国境に築くため、ウクライナをEUに統合し、新欧米的な自由民主主義国に変え、NATOに組み込む戦略を主導してきたと強調。そのうえで、米国は、ウクライナのNATO加盟がモスクワの「最も鮮明なレッドライン」がであると認識していたにもかかわらず、ロシアの安全保障上の懸念を無視し、ウクライナにおける親米政権発足の支援、合同軍事演習の実施などを通じたNATO―ウクライナ軍の連携強化、ウクライナへの武器搬入などを進めてきたと述べている。