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【新連載】光るやいのちの芽~ハンセン病文学と朝鮮人~①

2023年03月13日 09:00 文化

多磨全生園・栗生楽泉園詩サークル合同写真(1953年)(提供:国本衛)

今年2月から、東京都東村山市の国立ハンセン病資料館では、企画展「ハンセン病文学の新生面 『いのちの芽』の詩人たち」が開催されている。ハンセン病文学をテーマにした同企画展では、ハンセン病患者・回復者に対する強制隔離政策を、永続・固定化する「らい予防法」(1953年)制定に反対し、当事者や関係者らが幾多の闘争を繰り広げるなかで出版された詩集「いのちの芽」から25編の詩などが紹介された。日本の誤った国策により、現代においても、ハンセン病患者・回復者とその家族たちへの差別・偏見は根強いが、朝鮮人患者・回復者たちの場合、植民地支配下という歴史・社会的構造のなかで、その生活はさらに低く押し下げられていた。

「『ハンセン病と朝鮮人』について考えることは、日本社会における複合差別について考えることでもある」(金貴粉さん、2020年高麗博物館企画展「ハンセン病と朝鮮人」トークイベントで)

戦後もなお続いた隔離政策の不条理。【新連載】「光るやいのちの芽~ハンセン病文学と朝鮮人~」では、そうした状況のなか、創作を通じ希望や連帯を希求し、抵抗としての文学活動を展開した朝鮮人元患者らの詩を、企画展に際し復刊した詩集「いのちの芽」から紹介していく。(書き手の名前は詩集に掲載された日本名表示のママ)

星(国本昭夫)

1926年・朝鮮全羅南道生まれ。4歳の時に日本へ渡り、41年に多磨全生園に入園。43年に故郷に戻るが、その後再入園。50年に詩誌「灯泥」創刊。

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