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軍事挑発に対する朝鮮の自衛権行使

2023年03月14日 06:32 軍事

「平和に対する脅威」、主犯は米国

朝鮮半島をめぐる軍事的対立が激化するたびに、日本をはじめとする西側諸国では平和を脅かす米国の行動を覆い隠す世論がつくられる。 「国際社会=国連」の図式が常識化する国々では、朝鮮の自衛権行使が「国連安保理決議違反」であるとされ、朝鮮が国際社会を「威嚇」する「挑発者」として罵倒されている。 これは米国の利益に沿った不当な二重基準の適用に過ぎない。

米南の戦争練習に対する沈黙

「国際社会の縮図」となるべき国連が朝鮮半島の平和問題において公平性をなくしてから久しい。

朝鮮半島が対立と緊張激化の悪循環から抜け出せない根本原因は、米国の朝鮮敵視政策にあり、その表れが朝鮮をねらった戦争演習だ。朝鮮は米国の周辺で軍事訓練を行ったことが一度もない。一方、米国は南に駐留する米軍をはじめとする世界各地の米軍兵力を動員して朝鮮半島とその周辺地域、水域で戦争演習を絶えず強行し、朝鮮を軍事的に威嚇している。

したがって朝鮮侵攻シナリオに沿った米南合同軍事演習に対する態度は、朝鮮半島の平和問題における公平性と客観性を判別する試金石となる。

朝鮮侵攻シナリオに沿った合同軍事練習は、米国の朝鮮敵対視政策の産物だ

2016年、朝鮮は米国が合同軍事演習を強行したことに関して緊急会議を招集することを国連安全保障理事会に要求したことがある。 その演習が規模と性格において国際平和と安全を破壊し、国連憲章に明示された自主権尊重の原則を蹂躙していると朝鮮は訴えた。しかし国連安保は朝鮮の提訴を無視した。

その後も朝鮮の駐国連大使が同じ趣旨の手紙を国連安保理議長に送ったが、侵略性が明白な米南の軍事行動に対して国連安保理は沈黙を続けた。

米国の朝鮮敵視政策の表れである戦争演習が中止されず、国際平和と安全を守るべき国連安保理がこれを黙認するならば、国家の自主権を守る方法は他にない。 朝鮮は自らの力で自国を守る自衛的権利を行使するしかない。

法的根拠がない制裁決議

今年に入り朝鮮は、主権国家の「終わり」について公言するようになった米国と南朝鮮の合同軍事演習を中断することを国連と国際社会が求めなければならないと強く主張した。 ところが、国際情勢の安定のために建設的な役割を果たすべき国連事務総長さえ、米南の軍事的挑発行為については黙認し、それに対応した朝鮮の自衛的行動を「挑発」「脅威」と断定する公正さを欠いた態度を示した。

朝鮮が過去に核抑止力を備える過程で行った実験を問題視して国連安保理で採択した決議を持ち出し、朝鮮の自衛権行使を「決議違反=違法行為」と見なすのは、そもそも破綻した論理だ。 その決議こそが、非合法なものであるからだ。

朝鮮の駐国連大使は2016年5月と12月、国連事務総長に手紙を送り、国連安保理が朝鮮の核実験と人工衛星打ち上げ、弾道ミサイル試射が「国際平和に対する脅威」になると規定する法律的根拠について質問した。

根拠として考えられるのは、自主権尊重の原則が明示された国連憲章であるが、国連事務局は、朝鮮を「制裁」する「決議」が、国連憲章に合致する合法的な文書なのかについて答えることができなかった。 数多くの国々が核実験と衛星打ち上げ、弾道ミサイル試射を行っているが、国連安保理が唯一朝鮮だけを「制裁」の対象とし、「決議」を採択した根拠も示せなかった。

過去につくられた「制裁決議」は、国連憲章と公認された国際法を無視して朝鮮を敵対視する米国の強権によって捏造された非合法文書だ。 当然ながら朝鮮はこれを一度も認めたことがない。

朝鮮は米国の挑発と脅威に対して対抗措置をとっている (写真は2月18日に行われた大陸間弾道ミサイル発射訓練、朝鮮中央通信=朝鮮通信)

白を黒と言いくるめる詭弁

現在のような緊張激化の局面で起きる出来事に「国際社会=国連」の図式を適用して善悪をはかると、白を黒と言いくるめる詭弁を弄することになる。 国連安保理は、米国という常任理事国がすることは挑発、威嚇であっても議論すらせず、世界に災いをもたらす戦争国家が自国の利益に沿って二重基準を適用する朝鮮敵視政策実現の道具に成り下がっている。

朝米対決の実像、それは不義が正義を、非合法なものが合法なことを審判した国連という舞台の論理とは相反する。平和破壊の主犯である米国の軍事行動は危険水域に達している。そして戦争抑止力を備えた朝鮮は、正義と平和の守護者として、無分別な強権に対する対抗措置をとっている。

(金志永)

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