米南合同軍事演習の中止を求め/東アジア市民連帯が声明
2023年03月13日 19:30 対外・国際3月13日から米国と南朝鮮の軍当局による大規模な合同軍事演習「フリーダム・シールド」(~23日)が行われている。これと関連し、東アジア市民連帯が同演習の中止を求める声明文を米国と南朝鮮の駐日大使館に送った。全文は次のとおり。
“東アジアにおける平和の実現を”
私たちは、本日(3月13日)より実施される米韓両軍による合同軍事演習「フリーダムシールド」の中止を強く求める。
米韓両軍は年初より頻繁に合同演習・軍事訓練を強行してきた。いずれも朝鮮半島の平和を脅かす危険な演習・訓練である。「フリーダム・シールド」と名付けられた今回の演習は、実弾演習をともなうより実戦的で大規模なものだ。これら繰り返される演習・訓練によって、朝鮮半島は危険な状況に陥っている。
3月2日には米韓の特殊部隊が、朝鮮の核施設などへ精密打撃する訓練が実施された。米軍からは強力な対地掃討能力を持ったAC130J攻撃機が初めて参加した。また、朝鮮の指導部の暗殺を狙った「斬首作戦」訓練も実施された。翌3日には、米韓両空軍が黄海や朝鮮半島内陸部で連合空中訓練を行った。今年5回目である。これには核爆弾を搭載可能な戦略爆撃機B1Bが参加・展開している。
これに先立ち、2月7日、バイデン大統領は一般教書演説を行い、内外政策について明らかにした。しかし、外交政策では中国とロシアに言及したものの、朝鮮には一言も触れなかった。朝鮮とは外交交渉しないと宣言したに等しい。朝鮮に対しては軍事力などの圧力をかけて、現体制の崩壊を導くという考えであることが明白だ。また、2月16日には韓国国防白書が発表され、「朝鮮の政権と軍はわれわれの敵である」との規定を復活させている。米韓両軍が何のために朝鮮を威嚇・挑発する軍事演習を繰り返しているのか、明らかだろう。
こうしたなかで、「フリーダム・シールド」を5年ぶりに復活させ、過去最長の11日間実施する。そこでは、野外機動訓練「ウォリアー・シールド」や、核施設などを精密打撃する特殊部隊訓練「チーク・ナイフ」なども実施するとしている。これには、「上陸作戦」や「斬首作戦」が含まれている。いずれも朝鮮を対象とした先制攻撃・侵攻作戦であることは明らかだ。これらが実行に移されれば、朝鮮側が防衛・抑止のための戦争態勢に入ることは火を見るよりも明らかであり、実際に戦争が起きる危険性を高めることにつながる。
朝鮮半島や日本など東アジアの平和を希求する私たちは、こうした戦争状況を生み出す恐れの強い米韓合同軍事演習「フリーダム・シールド」をただちに中止するよう強く要請する。
2023年3月13日
東アジア市民連帯