〈「笹の墓標」に携わりながら-4-〉学生会という転機/金勇樹さん(37)
2023年02月22日 09:00 歴史朝鮮人強制労働の歴史を伝える「笹の墓標展示館」(北海道朱鞠内(しゅまりない))の再建に向け、2021年から巡回展を通した募金活動が行われている。展示館は今秋ごろの再建を目指す。巡回展はこれまで国内外12カ所で開催され、多くの市民らに歴史を語り継ぐ重要性を訴えてきた。展示館の再建と巡回展に携わる関係者らの声を紹介する。
(※年齢は22年9月取材時のもの)
私は在日朝鮮人3世で、父が日本人、母が在日2世だ。母は京都で生まれ育ち、父は滋賀で生まれた。父方の祖父母は戦争へ行ってない、どちらかといえばエリートになるような人たちかもしれない。祖父に関しては、呉出身で、呉造船所で戦艦大和の設計に携わっていた。祖母は、京都の地主で、日産車体の土地をすべて管理していたりもしたので、ウトロの土地も、祖母の一族が管理していたと聞いた。
私自身は、10数件の在日家族が集まり住む、小さなトンネで生まれ育ち、日本人として育てられた。なぜかといえば、2世の母が壮絶な差別を受けた経験からだ。そのため、家では朝鮮語は禁止だった。そんな母は、戦争中で教育をまともに受けていなかった祖母とだけは朝鮮語で話していた。