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〈読書エッセー〉晴講雨読・山本義隆『福島の原発事故をめぐって』が語るもの/任正爀

2023年02月22日 08:00 寄稿

2011年の東日本大震災から12年になろうとしている。ちょうど干支が一回りする年月で復興もそれなりに進んでいるが、まったく目途が立たないのは福島原発の事故処理である。それも当然で、人間は放射能を制御できず、完全な汚染の除去はできない。また、放射能の人体への影響も明らかではなく、したがって治療方法も確立されていない。そんな未完成な技術にもかかわらず、なぜ原発を稼働させ、大事故を引き起こしたのか? 震災直後から論じられてきたが、なかでも貴重な一冊が2011年8月にみすず書房から出版された山本義隆『福島原発事故をめぐって』である。

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