〈「笹の墓標」に携わりながら-3-〉「日本人自覚」を持つこと/永田道子さん(41)
2023年02月16日 13:00 歴史朝鮮人強制労働の歴史を伝える「笹の墓標展示館」(北海道朱鞠内(しゅまりない))の再建に向け、2021年から巡回展を通した募金活動が行われている。展示館は今秋ごろの再建を目指す。巡回展はこれまで国内外12カ所で開催され、多くの市民らに歴史を語り継ぐ重要性を訴えてきた。展示館の再建と巡回展に携わる関係者らの声を紹介する。
私は日本人の永田道子(※仮名)といいます。こうした自己紹介をするとき、在日朝鮮人の友人たちは、自分の出自や歴史を話さざるを得ないが、私は名前を言うだけで自己紹介になってしまう。また在日の立場だと、「在日ってなんだろう」と考えざるを得ない状況にいるけど、日本人が日本にいることは当たり前とされ、なぜここにいるのかを考えなくても生きていける。
私が、このような非対称性を感じ、「日本人自覚」をしだしたのは、それほど昔の話ではない。