個人情報、同意なしに提供
2023年02月15日 20:35 社会を知る~今週のnewsトピック~日本社会や在日同胞を取り巻くニューストピックを週に一度、紹介する。
個人情報、同意なしに提供
自衛隊員の募集という名目で、各地の地方自治体が、18歳を迎える住民の名簿を自衛隊へ提供する動きが本格化している。
2020年度から始まったこの動きは、自衛隊法施行令第120条(防衛大臣は、自衛官又は自衛官候補生の募集に関し必要があると認めるときは、都道府県知事又は市町村長に対し、必要な報告又は資料の提出を求めることができる)を根拠に、市町村の法定受託事務として定められたもの。同年以降、各地の地方自治体では、18歳を迎える住民の「名前」「住所」「性別」といった情報を、本人の同意なく自衛隊へ提供している。19年度までは、自衛隊員が、役所で住民基本台帳を閲覧し、情報を書き写すことで提供してきたが、システム刷新に伴い、20年度から提供方法の見直しが図られた。
福岡市のホームページによると、昨年6月までに各地で700を超える市町村が、紙または電子データで個人情報の提供を行っており、福岡市については「対象者情報の提供は福岡市独自の制度ではない」として、国への「協力」事業であると説明している。多くの提供自治体が、自衛隊への情報提供について住民へ周知していないのが現状。識者らの間では、個人情報保護の観点からその違法性を指摘する声が相次いでいる。さらに、一部自治体を除いては、提供を希望しない場合に除外する制度を設けていないことも問題視されている。