〈続・歴史×状況×言葉・朝鮮植民地支配と日本文学 51〉朝鮮への愛着、そして自己内省/村山知義


村山が率いた新協劇団による「春香伝」の上演パンフレット

小説家・画家・デザイナー・劇作家・演出家・ダンサー・詩人…など様々な顔を持って戦前戦後に活躍した村山知義について、その作品は一般にはほとんど忘れられているものの、植民地文化研究では言及が後を絶たない。とりわけ朝鮮との出会い、植民地から解放後にかけて一貫した朝鮮への「特別な愛着」と執心は、特異かつ争点に満ちた軌跡として近年においてさらに注目されているようだ。

プロレタリア芸術運動の中心にいた村山と朝鮮との出会いは、1928年の「3・15」大弾圧を逃れ、熱海の川端康成の家へ行ったときだった。近くで大きなトンネル工事が行われ、小料理屋に集まった朝鮮人労働者や、朝鮮の娘の歌う「アリラン」「トラジ」などの民謡、チョゴリ姿に初めて接したことを、村山は、『演劇的自叙伝』でこのように書いている。

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