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〈さくっと解説~知識の源Q&A〉反撃能力とは―戦争する国へひた走る日本

2023年01月07日 09:00 対外・国際

多様・複雑化する昨今の日本社会で、相互理解の前提となる知識や認識の積み重ねは、一層その必要性を増している。【企画】知識の源Q&Aでは「社会を知る~今週のnewsトピック~」(本紙毎週月曜日号)と関連して、今知っておきたい知識をQ&A形式で紹介する。

2022年12月16日、日本政府は「国家安全保障戦略」「国家防衛戦略」「防衛力整備計画」のいわゆる「安保3文書」を閣議決定した。なかでも注目されたのは、「反撃能力(敵基地攻撃能力)」の保有を新たに明記したことで、「相手」から武力攻撃を受けた際、初めて防衛力を行使する、「専守防衛」大原則を事実上覆した点だ。戦後日本が掲げてきた安全保障対策の転換をもたらす今回の決定により、防衛力強化のための大幅増税をはじめ、戦争する国へとひた走る国の様相があらわになりつつある。「安保3文書」の詳細について確認してみたい。

Q. 「安保3文書」、どのような意味を持つのか。

A. 防衛または戦略3文書ともいわれる「安保3文書」は、「国家安全保障戦略」、「国家防衛戦略」、「防衛力整備計画」からなる。昨年の改定により、「防衛計画の大綱」(防衛大綱)が「国家防衛戦略」に、「中期防衛力整備計画」(中期防)が「防衛力整備計画」に名称が変更された。

日本政府の外交および防衛における基本方針を定めた「国家安全保障戦略」の場合、2013年に初めて制定され、今回が制定後初の改定。ここに、「反撃能力(敵基地攻撃能力)」の保有が新たに明記された。また旧・防衛大綱は、日本の防衛力整備にかかわる指針を意味し、1976年以降、6回にわたり策定されている。旧・中期防については、前述の旧・防衛大綱に基づき、整備規模や防衛費総額などの詳細を定めたもので、3つの文書が同時改定されたのは初。同改定は、国会での議論や了承を経ず、閣議決定で強行された。

Q. 専守防衛って何?「反撃能力」の保有とはどんな関係にあるのか。

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