日本キリスト教協議会が国へ要請/関東大震災朝鮮人虐殺をめぐり
2022年11月30日 18:30 権利“重大な国家責任がある”
1923年9月1日に発生した関東大震災の直後、日本の政府や警察、自警団、民衆により、数多くの朝鮮人が虐殺された。このジェノサイド犯罪について、国による真相究明がなされないばかりか、その状況に「後押し」されるように、昨今では加害の歴史的事実を否定し、正当化するような言説が跋扈している。
こうした状況のなか、来年の関東大震災100年を前に、日本キリスト教協議会(NCC)の金性済総幹事をはじめとするNCCの関係者らが岸田文雄首相宛ての要請文を提出した。11月24日付。要請文では、死者・行方不明者が約10万5千人とされる当時の震災を契機に、根拠なき流言蜚語と、国家政策によって多くの朝鮮人が軍隊や警察、自警団の虐殺行為により命を落としたことに言及したうえで、この歴史的事実を「決して隠蔽してはならず、その国家責任を明らかにしなければならない」と指摘した。
また要請文は、「不逞鮮人の暴徒化」という流言蜚語が官憲によるものであることを示した資料や、日本の民衆による虐殺行動をさらに拡大させた内務省の戒厳令発令などの行政的原因を根拠に「虐殺に重大な国家責任がある」と強調。そのうえで、▼国家責任としての真相究明、▼謝罪、▼犠牲者遺族への補償、▼歴史教育における言及―をめぐり、内閣と国会が誠意ある決議と行動を推し進めていくよう求めた。
(韓賢珠)