総聯と在日同胞への大きな期待

自尊と繁栄の新時代に制定された海外同胞権益擁護法

「わが国家第一主義」の時代に制定された海外同胞権益擁護法（２０２２年２月最高人民会議第１４期第６回会議で採択）は、異国に住む同胞が祖国の富強発展に積極的に貢献するための法的基礎となる。

この法律の使命は、「海外同胞の民主主義的民族権利と利益を擁護し、かれらを愛国愛族の旗の下に固く結びつけ、民族的自尊心と愛国的熱意を呼び起こし、祖国の統一発展と隆盛繁栄のための道を歩むようにする』ことだ。 （第1条）

「わが国家第一主義」を掲げ、朝鮮の国力を最高のレベルに引き上げるために奮起すべきは、本国に住む人々だけではない。チュチェ思想の観点からは、国力強化の当事者、主体的力量には祖国と血筋で結ばれた海外同胞も含まれる。

今年2月、最高人民会議で海外同胞権益擁護法が制定された（朝鮮中央通信＝朝鮮通信）

この法律で海外同胞の定義（第２条）は、朝鮮民主主義人民共和国の国籍または外国籍を持って外国に居住する朝鮮民族であるが、法律では海外同胞の社会政治的権利を保障するうえで、外国籍を持つ海外同胞と朝鮮国籍を持つ海外同胞を区分して適用する条項がある。

海外朝鮮公民は、居住地にかかわらず国家の保護を受け（第１４条）、当該機関は海外朝鮮公民に対する民族的差別と迫害、弾圧を共和国の自主権と民族的尊厳に対する侵害行為とみて、該当する対応措置を取らなければならないと規制（第２１条）している。

海外同胞権益擁護法で想定されている権益侵害行為が最も多く発生している国は、日本である。

日本には朝鮮の大使館、領事館が存在しないが、法律では海外同胞団体の地位（第47条）について明記している。ここで総聯は「共和国の尊厳高い海外公民団体であり、在日朝鮮人運動を強化発展させていくチュチェの海外同胞組織」であると明記し、総聯のような中央海外同胞事業指導機関の委任を受けた海外同胞団体は、居住国とその地域で祖国と同胞の絆を結びつけ、交流、協力事業を担当・推進すると定めている。

法律の経済権益擁護に関する条項には、総聯をはじめとする海外同胞団体と愛国同胞が投資した企業を特別に優遇するという内容もある。（第39条）１９８４年に合営法が制定されたときから、総聯を通じて祖国との経済協力事業を行った先駆者である在日同胞商工人が今後、民族経済発展と国家の隆盛繁栄のために果たすべき役割が重要だということだ。

海外同胞権益擁護法を採択した最高人民会議で討論した代議員は、この法律には金正恩総書記の崇高な意図に沿って国家の使命と役割が定められていると述べた。

金正恩総書記は、今年5月に総聯第25回全大会の参加者に送った書簡で、「共和国政府は今後も海外同胞権益擁護法によって在日同胞の民主主義的民族権利と利益を擁護保障するための国家的対策を徹底的に講じて、同胞の自主権・生存権・発展権をしっかりと担保するための特例措置を続々と行うと述べている。そして「わが国家第一主義」の時代に応え、祖国の自主的統一と社会主義建強国設に寄与することを強調した。

社会主義祖国の一部である総聯は、民族的差別と弾圧の狂風が吹き荒れる日本で藍紅色の国旗をはためかせ、愛国愛族の先駆者、海外僑胞組織のモデルとして誇り高い歴史を刻んできた。祖国の地位が高まる尊厳と繁栄の新時代に、総聯と在日同胞への期待はさらに大きくなり、その活動舞台はより広がっていく。

(金志永)