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〈本の紹介〉開城工団の人々 毎日小さな統一が達成される奇跡の空間/金鎭香著、塩田今日子訳

2022年10月31日 08:00 文化

北南の「愛憎入り混じる」経験

北南の和解と協力の象徴として2004年に操業した開城工業地区。本書は、南朝鮮の統一問題の研究者である著者が操業初期に4年間同地区に勤めた経験を綴ったルポルタージュ。著者による北南、統一問題への明晰な洞察と共に、10余年間勤務した9人の南側駐在員へのインタビュー、取材を担当した記者らの座談会が収められている。北南が対峙している分断状況において、北側の同胞たちとときに衝突しながらも違いを超えて共存する経験を通じて、南の労働者たちの北側や統一についての立場、観点がどのように変化していったのか、その過程が丹念に記録されている。

地湧社、2000円+税、03-3258-1251

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