「拠り所」となる場目指し/性差別撤廃部会「全国交流会」
2022年10月14日 11:23 交流9日から10日にかけて静岡県熱海市で開催された「だれいき全国交流会」(主催=在日本朝鮮人人権協会性差別撤廃部会)。3年ぶりとなる対面形式の交流会で、参加者らはこれまでの活動で得た経験や問題意識などを共有し、交流を深めた。
各地での経験
9日、参加者らは熱海駅で顔をつきあわせた。久々の再会に相好を崩す人や初参加で緊張気味な人など、それぞれの思いを胸に会話を楽しむ光景がひろがった。
市内施設で行われた交流会では、各地で進められてきた活動が共有された。
関東では「日本軍性奴隷制の否定を許さない4.23アクション」、幅広い同胞女性の交流会「ポグムチャリver.1」、自身をセクシュアルマイノリティと認識する同胞たちのための「ポグムチャリver.2」、朝鮮学校の生徒たちを対象にした出張授業などを活動の軸にしている。鄭和瑛さん(27、東京都在住)は「性差別問題に関心のある同胞たちが力を出し合っている」と述べながら、これまで女性中心で推し進めてきた現状を踏まえ「すべての人が当事者として問題を捉えるためにも、男性スタッフを充実させ連帯を強めていきたい」と話した。
2018年から活動を始めた東海では、学習会や討論会、映画観賞会など「知り、学ぶ」ためのコンテンツや、季節ごとのイベントなど「繋がる」ための企画を活発に催してきた。なかでも生理についての学習会やハラスメント被害を共有する会などの斬新な企画は、参加者らの耳目を集めた。「誰ひとりとして侵害されない場を皆で作っていこう、という共通の認識を持って集っている」と話す李成香さん(26、愛知県在住)は「この活動が、性差別撤廃に向けた実践の源となるようこれからも力を注いでいきたい」と述べた。
関西からも地域独特の活動が紹介された。総聯や韓統連など組織の垣根を超えた同胞が運営に携わる関西では、メンバーたちが経験を分かち合いながら運動を進めている。金紀愛さん(31、大阪府在住)は「関西では友人が友人を呼ぶ『口コミ形式』で繋がりの輪を広めている。これからは組織の母体となる人権協会とタッグを組み、同胞児童らに対する性教育の強化を図っていきたい」と今後の展望を語った。
問題意識を共有
交流会では、個々の経験や問題意識を共有する場も設けられた。