映画「主戦場」訴訟控訴審/1審に続き、監督側が勝訴


勝訴の旗だしをするミキ・デザキ監督(写真は監督SNSより)

日本軍性奴隷制問題を扱った映画「主戦場」をめぐり、出演者のケント・ギルバート氏ら5人が、ミキ・デザキ監督と配給会社「東風」を相手取り、映画の上映差し止めと計1,300万円の損害賠償を求めた訴訟の控訴審判決が9月28日、知財高裁(東海林保裁判長)であった。判決は、公開を「適法」とし、原告らの請求を全面棄却した一審・東京地裁判決を支持。原告側の訴えを退けた。

判決を受け、「東風」は公式サイトを通じて「今年1月の一審につづき、控訴審でも原告らの訴えをすベて棄却する判決が下され」たと報告。重ねて支援者や弁護団への謝意を表した。

またミキ・デザキ監督は、自身のSNSで「We won again!!!! 勝った!! Thank you for your support!」と喜びをあらわにした。

映画「主戦場」は、日本軍性奴隷制被害者やその支援団体、学者のほか、日本による国家戦時暴力が存在したことを否定する政治家、著名人など、意見を対立させる人たちへのインタビューをまとめた作品。2019年4月に公開され瞬く間に話題作となった。その後、同年6月に、出演者のケント・ギルバート氏(タレント)、藤岡信勝氏(「新しい歴史教科書をつくる会」会長)、山本優美子氏(「なでしこアクション」代表)、トニー・マラーノ氏、藤木俊一氏の5人が「商用映画とは知らず騙された」などの理由で監督と配給会社を提訴した。

今年1月27日にあった1審・東京地裁判決(柴田裁判長)では、原告側が「歴史修正主義者」という呼称が著作者人格権の侵害にあたるとした主張に対し、「映画の表現は原告らの社会的評価を低下させるものとは認められない」と判断。原告側の請求を全面的に退けていた。

(韓賢珠)