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ユネスコ、推薦書を諮問機関へ送付せず/来年の登録は実質不可能に

2022年07月28日 14:12 歴史

佐渡鉱山(新潟)の世界文化遺産登録を巡り、ユネスコが日本政府の推薦書を、期日である3月1日までに諮問機関へ送付しなかったため、23年の登録審査は行われない運びとなった。これにより、日本政府が当初目論んでいた2023年の遺産登録は不可能となった。

日本政府は今年2月に推薦書を提出したが、ユネスコは佐渡鉱山の範囲を示す書類に不備があるなどと指摘してきた。これに対し、日本政府は不備を認めずユネスコ事務局へ判断の再考を求めていた。

戦時中、朝鮮半島から1500人以上の朝鮮人が強制労働させられた経緯がある佐渡鉱山を巡り、文化庁は昨年12月に世界文化遺産登録の国内推薦候補に選定するよう答申。その後, 国内で「韓国の反発により政府が推薦を見送った」との報道が出ると、右派勢力を筆頭に推薦を後押しする動きが活発化した。政府は1月28日に当初の方針を変え登録に向けて推薦する意向を表明、朝鮮人強制労働の歴史を切り取った1603~1867年の時代背景に限って推薦した。

北南朝鮮では「(遺産登録は)朝鮮民族に対する冒涜」であるなどとし登録を反対してきた。日本の市民社会でも、時代の一部を切り取り世界文化遺産登録を進めようとする日本政府の姿勢に対し批判の声が上がっている。

総聯新潟県本部の金鐘海委員長は「新潟では、日本の研究者らを中心に朝鮮人強制労働の歴史に関する調査や学習会が熱を帯びている」と述べ「歴史を隠ぺい・わい曲し、加害の歴史を美化する手段として佐渡鉱山を利用するなどもってのほか。登録の延期を正しい歴史的事実をより広められる契機にしたい。日本の有志らとともに、これからも活動に取り組んでいく」と力を込めた。

世界遺産登録は、各国から提出された推薦書のうち登録にふさわしい対象をユネスコ諮問期間が現地調査を行ったうえで判断し、世界遺産委員会が正式に決定する。日本政府は7月28日、ユネスコへ推薦書を再提出することを明らかにしている。

(金紗栄)

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